メタキーワードは削除すべき?放置の判断基準
自分のサイトのソースコードを久しぶりに開いたら、<meta name="keywords" content="..."> という古いタグが出力され続けていた。10年前に設定したまま誰も触っていない。これは今のSEOにとって害になっているのでしょうか。それとも、わざわざ手を入れる必要はないのでしょうか。
結論から言うと、このタグがあること自体で検索順位が下がることはありません。ただし「だから何もしなくていい」とも言い切れない理由がいくつかあります。この記事では、実害の有無をGoogleの公式資料で確認したうえで、削除にかかる手間に応じて「消す/放置する」を自分で決められる判断基準を用意します。
そもそも meta keywords とは何だったのか
meta keywords(メタキーワード)は、ホームページの裏側のテキスト(HTMLソースコード)に埋め込む、検索エンジン向けのキーワード設定タグです。ブラウザで表示される画面には出てきません。
<meta name="keywords" content="ダイエット,痩せる,運動,食事制限">
こうやって「このページはこういうキーワードのページです」と検索エンジンに自己申告する仕組みでした。1990年代後半から2000年代前半にかけて、多くのサイト制作会社が標準的に入れていたものです。
問題は、自己申告なのでいくらでも嘘がつけたことです。ページの中身と関係のない人気キーワードを大量に詰め込む使い方が広まり、検索エンジンの側が信用できない情報になっていきました。
Googleの公式見解:ランキングにもインデックス登録にも使わない
Googleがサポートしているメタタグの一覧を示した公式ドキュメントでは、keywords メタタグは**「非対応のタグと属性」**の側に分類されています。そこにはこう書かれています。
keywords メタタグはGoogle検索では使用されず、インデックス登録とランキングに影響しません。 (Google がサポートするメタタグと属性)
ここで重要なのは、「使わない」と「インデックス登録とランキングに影響しない」が両方書かれている点です。つまりプラスに働かないだけでなく、マイナスにも働きません。「入れていると減点される」という話ではないのです。
この方針が示されたのは最近のことではありません。Google 検索セントラルのブログには、2009年9月に公開された「Google does not use the keywords meta tag in web ranking(Googleはウェブ検索のランキングでkeywordsメタタグを使用しません)」という記事があります。抜粋にはこう記されています。
Googleのウェブ検索のランキングはkeywordsメタタグを使用しません。これは過去の悪用(past abuse)によって確立された方針です。 (Google does not use the keywords meta tag in web ranking)
「過去の悪用が理由」とはっきり書かれているのが、先ほどの「自己申告なので嘘がつけた」という経緯とつながります。つまり、この立場は最近になって変わったものではなく、かなり以前から公式に示されてきたものだと読めます。
なお、Googleがサポートすると明記しているメタタグには、ページの要約を伝える description、インデックス登録の制御に使う robots / googlebot、翻訳を止める notranslate などがあります。keywords はこのサポート対象リストには入っていません。
では「放置でいい」のか:削除を検討する3つの理由
Googleが無視するのだから放置でいい、というのは半分は正しい判断です。ただ、自分のサイトを自分で良くしていく立場からすると、次の3点は考えておく価値があります。
理由1:狙っているキーワードが競合に丸見えになる
これが実務上いちばん大きいと考えています。ブラウザでソースコードを表示する操作(多くのブラウザで Ctrl+U / Macは ⌘+U)は誰でも数秒でできます。meta keywords にターゲットキーワードが並んでいれば、競合他社はあなたのSEO戦略を無料で読み取れるわけです。
「このページは"○○ 比較 料金"を狙っているのか」「新しく"○○ 導入事例"を追加したな」——こうした情報は、本来こちらから差し出すものではありません。Googleが検索順位に使わない情報を、競合だけが活用できる状態になっているのです。
これは公式ドキュメントに書かれた事実ではなく、私たちの実務上の判断です。ただ、失うものがない側のリスクとしては、無視しにくいものだと考えています。
理由2:中身と乖離したキーワードの詰め込みが残っているケース
タグ自体は無害でも、そこに書かれている中身が今のページと合っていない場合があります。よくあるのは、昔のSEO業者が納品時に入れた、ページの内容と無関係な人気キーワードがずらりと並んでいるパターンです。
Googleのウェブ検索のスパムに関するポリシーには、禁止される行為として「キーワードの乱用(keyword stuffing)」が挙げられています。
禁止される主な行為には、クローキング、誘導ページの不正使用、期限切れドメインの不正使用、ハッキングされたコンテンツや隠しコンテンツの使用が含まれます。その他の違反には、キーワードの乱用、リンクスパム、機械生成トラフィック、マルウェア、誤解を招く機能、大規模なコンテンツの不正使用が含まれます。 (Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー)
ここで誤解しないでほしいのは、「meta keywords にキーワードを並べる行為=スパム認定される」とはこのポリシーに書かれていないことです。Googleはこのタグをインデックス登録にもランキングにも使わないと明記しているので、タグの中だけで完結している詰め込みが直接ポリシー違反として扱われる、と断定できる根拠はありません。
ただし、meta keywords に無関係なキーワードが大量に並んでいるサイトは、本文や見出しにも同じ詰め込みが残っていることが経験上よくあります。タグを点検するついでに、ページ本文のほうも見直すきっかけにするのが実務的だと思います。
理由3:description のほうが改善余地が大きい
無効なタグの掃除より優先度が高いのが、実際に検索結果の見え方を左右する description メタタグです。Googleの公式ドキュメントには、スニペット(検索結果に表示される説明文)はページの内容と meta description から作られると書かれており、良い例・悪い例が示されています。
良くない例(キーワードの羅列):
<meta name="description" content="裁縫用品、毛糸、色鉛筆、ミシン、糸、ボビン、針">より良い例:(その店が何を売っているかを説明する文) (検索結果のスニペットとタイトルの管理)
面白いのは、Googleが「悪い例」として挙げているのが、まさに meta keywords 的な書き方だという点です。「キーワードを並べる」発想を description にまで持ち込んでしまっているサイトは少なくありません。keywords の点検をするなら、同じテンプレートが出力している description のほうに時間を使ったほうが、成果につながる可能性は高いでしょう。
description の具体的な書き方はタイトル・説明文でクリック率を上げるにまとめています。
判断表:削除コスト別に決める
「消すべきか放置すべきか」は、サイトの作りによって答えが変わります。得られるもの(競合対策・ソース整理)が小さい以上、かかるコストで決めるのが合理的です。
| 自分のサイトの状況 | 削除の手間 | 推奨する判断 | 理由 |
|---|---|---|---|
| CMSの共通テンプレート1ファイルを直せば全ページから消える | 数分〜30分 | 削除する | コストがほぼゼロ。競合に手の内を見せ続ける理由がない |
| CMSの設定画面/SEOプラグインのチェックを外すだけで消える | 数分 | 削除する | 同上。設定変更なので元に戻すのも容易 |
| ページごとに手入力された値が入っており、一括置換もできない | 数時間〜数日 | 放置してよい | SEO上の実害がなく、工数に見合う効果が見込めない |
| 外注先しか触れないシステムで、依頼に費用が発生する | 見積もり次第 | 放置してよい(次回改修時にまとめる) | 単独で費用を出す価値はない。他の改修に相乗りさせる |
| 中身が本文と無関係なキーワードで埋まっている | 状況による | 中身の点検を優先 | タグの削除より、本文側に同じ詰め込みが残っていないかの確認が先 |
判断に迷ったら、**「30分で終わるなら消す、それ以上かかるなら放置」**をひとつの目安にしてください。これは公式の基準ではなく、効果の小ささと手間を天秤にかけた私たちの実務上の線引きです。
実際にやってみる:自分のサイトを点検する5ステップ
ここまでの判断を、自分のサイトに1回通してみましょう。所要時間は10分程度です。
- トップページのソースを開く。自分のサイトのトップページで
Ctrl+U(Macは⌘+U)を押します。HTMLソースコードが別タブで開きます。 - タグを検索する。ソースコードのタブで
Ctrl+F(Macは⌘+F)を押し、name="keywords"と入力します。ヒットしなければ、そのテンプレートには出力されていません。手順5に進みます。 - 中身を読む。ヒットしたら
content="..."の中身を確認します。ここで見るべきは2点。(a) 競合に見られて困るキーワードが入っていないか、(b) ページの内容と無関係なキーワードが並んでいないか。 - 他のページ種別でも繰り返す。トップページだけでなく、記事ページ・商品ページ・カテゴリページなど、テンプレートが違うページを1つずつ確認します。トップにはないが記事ページにはある、という構成はよくあります。
- 判断表に当てはめる。出力元(テーマファイルなのか、プラグインなのか、記事ごとの手入力なのか)を特定し、前節の表で「削除/放置」を決めます。
ワークスルー例:WordPressサイトで実際に判断してみる
架空の例で、この5ステップを通してみます。あるBtoBサービスサイト(WordPress・記事60本)を点検したとしましょう。
手順1〜2:トップページのソースに name="keywords" はヒットしませんでした。ここで終わりにすると見落とします。
手順4:記事ページを開くと、<meta name="keywords" content="勤怠管理システム,勤怠管理 比較,勤怠管理 クラウド,打刻 アプリ"> がヒットしました。テンプレートによって出力が違うという典型例です。
手順3:中身を見ると、これはまさに現在この記事が狙っているキーワードそのものです。競合が見れば、このサイトが「勤怠管理 比較」で勝負しにきていることが即座にわかります。
手順5:出力元を調べると、記事ページのテンプレートファイル(single.php や header.php)に手書きされているのか、SEOプラグインの設定なのかで分岐します。
- プラグインの設定だった場合 → 管理画面でキーワード出力をオフにするだけ。数分。→ 削除する
- テーマファイルに1行書かれていた場合 → その行を消す。子テーマがあれば数十分。→ 削除する
- 記事60本すべてにカスタムフィールドで手入力されていた場合 → 一括削除の仕組みを作るか、60回手作業。→ 放置してよい(ただし、手順3で「無関係なキーワードの詰め込み」が見つかった場合は、本文側の点検だけは行う)
この例の要点は、「消すか消さないか」を先に決めようとしないことです。先に出力元を特定すれば、答えはほぼ自動的に決まります。
よくある誤解と、つまずきやすいところ
「meta keywords を消したら順位が下がった」
Googleはインデックス登録とランキングに影響しないと明言しているので、削除自体が順位の原因になったと考える根拠はありません。ただ、テンプレートを編集する作業で他のタグを一緒に壊してしまうことはあり得ます。よくあるのは、description や canonical の記述を巻き込んで消してしまうケースです。編集後は、必ず同じ手順1〜2でソースを開き、消したい行だけが消えているか確認してください。
「他社サイトは入れているから、入れたほうがいいのでは」 競合のソースに meta keywords があるのは、多くの場合「古いテンプレートを消していないだけ」です。Googleが検索順位に使わない以上、真似する意味はありません。むしろ、そのサイトのターゲットキーワードを教えてもらっている状態だと捉えるほうが実態に近いでしょう。
「Bing など他の検索エンジンではどうなのか」 この記事で確認できているのはGoogleの公式ドキュメントの範囲だけです。他の検索エンジンの現在の扱いについては、それぞれの公式資料を確認してください。判断の軸をどこに置くかは、自分のサイトの検索流入がどの検索エンジンから来ているかを見てから決めるのが確実です。
「削除の効果を測定したい」 順位や表示回数の変化で削除の効果を確かめようとしても、意味のある結果は得られにくいはずです。Googleが使っていない情報を消したのですから、変化がないのが期待どおりの結果です。もし同時期に順位が動いたなら、それは記事の更新・競合の動き・検索結果全体の変動など、別の要因を疑うべきです。
自己点検チェックリスト
作業の前後で、次の項目を確認してください。
- トップページ以外のテンプレート種別ごとにソースを確認した(記事・商品・カテゴリなど)
-
contentの中身に、競合に見られて困るキーワードが入っていないか読んだ -
contentの中身が、ページ本文と大きく乖離していないか読んだ - 乖離があった場合、本文・見出し側にも同じ詰め込みが残っていないか確認した
- 出力元(テーマファイル/プラグイン設定/記事ごとの手入力)を特定した
- 削除にかかる時間を見積もり、判断表に当てはめた
- 削除した場合、編集後にソースを開き直して
descriptionやcanonicalを巻き込んでいないか確認した - keywords の点検で終わらず、
descriptionの中身がキーワードの羅列になっていないか見直した
まとめ
meta keywords は、Googleがインデックス登録にもランキングにも使わないと公式に明記しているタグです。放置しても順位が下がることはなく、慌てて対応する必要はありません。
一方で、削除の手間が小さいなら消しておくほうが合理的です。理由はSEOではなく、狙っているキーワードを競合にただで見せ続ける必要がないから。判断はシンプルで、テンプレートやプラグインの設定を1か所直せば済むなら消す、ページごとの手作業が必要なら放置する——それだけです。
そして、この点検をきっかけに description のほうへ目を向けるのがおすすめです。keywords と違い、こちらは検索結果の見え方に直接関わります。書き方はタイトル・説明文でクリック率を上げるを、同じテンプレート由来の問題として重複コンテンツとcanonicalの整理もあわせてご覧ください。
出典
