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検索順位は毎日見なくていい|変動をノイズとシグナルに分ける手順

Wemiro編集部読了目安 9分
検索順位Search Console効果測定

昨日は8位だった。今朝見たら11位になっている。何か直すべきなのか。

先に答えを書きます。検索順位は毎日見る必要はありません。 日々の上下の多くは、順位という数字の性質から来る揺れです。判断は週単位でそろえて比べ、「表示回数」と「クリック数」が同じ向きに動いたときだけ、原因を調べにいきます。

Google自身も、Search Consoleについて「このツールに毎日ログインする必要はありません」と書いています。サイトで新しい問題が見つかれば、Search Consoleからメールで通知が届くからです。

では、何を・どの粒度で・どの順に見ればよいのか。数字の成り立ちから順に説明します。

平均掲載順位は「平均」なので揺れる

毎日の上下が気になるのは、順位を「自分のページの席次」のように受け取っているからかもしれません。

Search Consoleに出る順位の正式な名前は「平均掲載順位」です。ヘルプでは、これはすべての表示について掲載順位の平均をとったもので、理由として「リンクの掲載順位は表示されるたびに変わるため」と説明されています。

つまり、順位はもともと1つに決まった値ではありません。表示されるたびに違う位置に出て、その平均が画面の数字になります。

平均のとり方にも、知っておきたい決まりがあります。

  • 1回の検索で同じサイトのリンクが複数出たときは、いちばん上の位置だけが数えられます。 ヘルプの例では、あるクエリ(検索された言葉)で2位・4位・6位に出た場合は2位、別のクエリで3位・5位・9位なら3位として扱い、2つの平均は2.5になります。
  • 実際に表示されなかった結果は、順位に記録されません。 たとえば検索結果が3ページあっても、ユーザーが1ページ目しか見なければ、2ページ目以降の結果の順位はそのクエリに記録されません。
  • 順位がダッシュ(-)で表示されることがあります。 そのクエリでユーザーがサイトを表示したことがなく、順位が一切記録されていない状態です。

2つめの決まりは、特に効いてきます。順位は、リンクが実際に表示されたときにだけ記録されます。どの結果がどれだけ表示されるかは日によって違うため、その分だけ平均も動くことがあります。

さらにヘルプは、検索結果そのものが人によって違うことにも触れています。検索が行われた時間、場所、デバイス、ユーザーの最近の履歴によって、異なる検索結果が表示されるためです。自分の端末で検索して見えた順位と、Search Consoleの数字が合わないのはこのためです。

いちばん新しいデータは、まだ動くことがある

もう1つ、毎日見るときの落とし穴があります。

検索パフォーマンスのレポートでは、最新のデータは暫定値の可能性があり、その後数時間で変動する場合があります。暫定データはグラフ上に点線で表示されます。

点線の区間で上下を判断すると、確定前の数字に反応することになります。朝に見て慌てた数字が、昼にはもう変わっている。そういうことが起こりえます。

確認の頻度と粒度の目安

ここまでを踏まえた、確認のしかたの目安です。これは出典の仕様をもとにした編集部の整理で、Googleが示した基準ではありません。

頻度見るもの目的やらないこと
毎日見なくてよい(メール通知だけ受け取る)重大な問題の見落とし防止順位の上下で判断しない
週1回主要クエリ5〜10個の平均掲載順位・表示回数・クリック数を、前の週と比べる変化の向きを見る1日単位の差を追わない
月1回ページ単位・クエリ単位で3か月の推移を見る構造的な変化を拾うサイト全体の平均順位だけで結論を出さない
施策の直後対象ページだけを、施策前と同じ長さの期間で比べる施策の影響を見る数日で成否を決めない

粒度のポイントは、サイト全体の平均順位で判断しないことです。全体の数字は、何百というクエリの順位をまとめたものです。1つの語が大きく落ちても埋もれますし、逆に関係の薄い語の出入りだけで大きく動くこともあります。

レポートのグラフは、すべてプロパティ(Search Consoleに登録したサイト)単位で集計されます。原因を探すなら、表の「クエリ」「ページ」「国」「デバイス」などのタブで分けて見ます。

ヘルプも、日単位の変動(週末や祝日などによる変動)を平滑化して、長期的な傾向を分析する見方を用意しています。日々の凸凹をならして見る、という考え方そのものが、Google側の前提でもあるわけです。

ノイズとシグナルの見分け方

では、週に1回見て「前の週より下がった」とき、それが揺れなのか、本物の変化なのか。

次の表で当てはめてください。

見るところノイズのことが多いシグナルのことが多い
続く期間1〜3日で戻る2週以上、同じ向きが続く
動いた範囲1つのクエリだけ同じページの複数クエリ、または同じ種類のページ群
表示回数大きく変わらない順位と一緒に減っている
クリック数大きく変わらない順位と一緒に減っている
端末・国一部だけで起きているどの端末でも同じ向き
グラフ点線(暫定データ)の区間確定済みの区間

判断のコツは、順位だけで決めないことです。順位が下がっても、表示回数とクリック数が変わっていなければ、実害はまだ小さいと考えられます。3つの数字が同じ向きに動いたとき、はじめて「調べる価値がある変化」として扱います。

表の各行の境目(「2週」など)は、編集部が置いた目安です。自社サイトの通常の揺れ幅が分かってきたら、その幅に合わせて調整してください。

例: メインの語が8位から12位に落ちた

ここからは架空の例で、実際に手順を通してみます。

ある会社のサービス紹介ページが、「経費精算 アプリ 比較」という語で平均8位前後にいました。週1回の確認で、今週は12位と出ています。

次の順で確かめます。

  1. 確定データか、期間を確かめる グラフの末尾が点線なら、その区間を外して比べます。期間は「直近7日」と「その前の7日」のように、同じ長さ・同じ曜日構成にそろえます。この例では、点線を外しても11〜12位でした。まだ判断は保留です。
  2. 表示回数とクリック数も同じ向きか見る 同じ語の表示回数とクリック数を並べます。この例では、表示回数はほぼ横ばいで、クリック数も大きく減っていませんでした。順位だけが動いている状態です。
  3. ページ単位で、ほかの語も落ちていないか見る 「ページ」タブで対象ページを選び、そのページに紐づくクエリを一覧にします。「経費精算 アプリ」「精算 アプリ おすすめ」など関連する語が一緒に落ちているなら、ページ全体の問題を疑います。この例では、落ちていたのは1語だけでした。
  4. 端末と国で分ける 「デバイス」タブでパソコンとモバイルに分けます。この例では、モバイルは8位のまま、パソコンだけ14位でした。パソコンの表示回数はもともと少なく、少ない表示の順位が平均を引っぱっていたと読めます。
  5. 2週目に同じ比較をして、続いているかを見る 翌週、同じ期間の区切りでもう一度比べます。この例では10位に戻っていました。

結論は「今回はノイズ。何も直さない」です。

もし手順2で表示回数とクリック数も落ちていたら、判断は変わります。手順3で同じページの複数の語が落ちていたら、なおさらです。その場合は変化を「シグナル」として扱い、ページやサイトの側に原因がないかを調べにいきます。調べ方はSearch Consoleでクリック数が減ったときの点検手順にまとめています。

よくある誤解: 順位が上がったのにクリックが減った

平均だからこそ起きる、ねじれた動きもあります。

平均掲載順位が良くなったのに、表示回数とクリック数が減っている。一見おかしいですが、平均のしくみを知っていれば説明がつくことがあります。

それまで30位や50位あたりで少しだけ表示されていた語が、何らかの理由で表示されなくなったとします。低い順位の表示が平均から抜けるので、数字の上では順位が良くなったように見えます。実際には、表示の機会が減っています。

だから順位は、いつも表示回数・クリック数とセットで読みます。順位が上がったことだけで「改善した」と判断しないでください。

自社サイトで今日やること

最後に、自分のサイトで確認の仕組みを整えるための点検項目です。

  • Search Consoleからのメール通知を受け取れる状態か(重大な問題はこちらで気づける)
  • 毎週追う主要クエリを5〜10個に絞って決めたか
  • 比べる期間を「同じ長さ・同じ曜日構成」にそろえているか
  • 点線(暫定データ)の区間を判断から外しているか
  • 順位を見るとき、表示回数とクリック数も並べているか
  • サイト全体ではなく、ページ・クエリ・端末で分けて見ているか
  • 「2週続いたら調べる」など、動く条件を自分で決めてあるか

順位の揺れは、なくなりません。必要なのは、揺れに反応しない仕組みを先に作っておくことです。

なお、施策を打ったあとに変化がどんな順で表れやすいかは、SEO施策の効果はいつから出るかで扱っています。確認の頻度を決めるときの参考にしてください。

出典

  1. 表示回数、掲載順位、クリック数とは(Search Console ヘルプ)
  2. 検索パフォーマンス レポート(検索結果)(Search Console ヘルプ)
  3. Search Console の概要(Google 検索セントラル)

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