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構造化データは何から入れる?優先順位の決め方

Wemiro編集部読了目安 9分
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構造化データを入れたほうがいいとは聞く。でも型が多すぎて、どれから手をつければいいか分からない。答えは単純です。全部入れる必要はありません。自社のページに実際にある情報で、テンプレートから自動で出せる型から入れるのが、手間に対して効果の見込みがいちばん大きい順番です。

ここでいう構造化データは、ページの中身を検索エンジンに決まった書式で伝えるための記述です。書式の語彙として schema.org という共通の規格が使われ、「これは記事」「これはパンくず」「これは会社情報」といった「型」を選んで書きます。

そもそも入れると何が変わるのか

まず期待値をそろえます。Google の概要ページは、構造化データがページ内容に対する Google 検索の理解を高めると説明しています。そのうえで、JSON-LD・Microdata・RDFa といった形式で実装すると、リッチリザルトにつながることがある、と書いています。

リッチリザルトは、通常の青いリンクと説明文に加えて、パンくずの階層や画像などが付いた検索結果の見え方です。概要ページでは、構造化データのあるページでクリック率・訪問・ユーザーの関与が伸びた事例があることにも触れています。

ここで読み違えやすい点があります。「つながることがある」は「入れれば必ず出る」ではありません。事例で伸びたのも、そのサイトの条件でのことです。だから、構造化データは「検索結果での見え方の選択肢を増やすもの」と考えておくほうが安全です。順位そのものを押し上げる道具として期待すると、入れたあとに判断を誤りやすくなります。

なぜ「全部入れる」がうまくいかないのか

型をたくさん入れれば、どれかは当たりそうに見えます。ところが実務では、3つの理由で逆効果になりがちです。

一つは保守の手間です。ページごとに手書きした構造化データは、本文を直したときに更新が漏れます。本文と中身が食い違った状態が残るのは、入れないより扱いにくい状態です。

二つめは、自社のページにない情報を書きたくなることです。商品やレビューの型を「入れられるから」と入れると、ページに見えていない内容までマークアップしてしまう場合があります。構造化データはページの中身を伝えるものなので、中身にないことは書かない、が原則と考えてください。

三つめは、効果の検証ができなくなることです。一度に何種類も入れると、どの型が検索結果の見え方を変えたのか分かりません。

サイトの種類別「入れる価値が高い型」判断表

以下は、ページに実在する情報とテンプレート化のしやすさから見た目安です。運用の手間と効果の見込みから組み立てた、この記事独自の判断表です。

サイトの種類最初に入れる型次に検討する型見送ってよいことが多い型
会社・サービスサイト(BtoB)Organization(会社情報)、BreadcrumbList(パンくず)Article(ブログ・お知らせ)Product、Review(自社で評価を集めていない場合)
メディア・ブログ中心Article、BreadcrumbListOrganizationページ内容と関係の薄い型
EC・通販BreadcrumbList、Product(商品ページ)OrganizationArticle(読み物が少ない場合)
店舗・地域ビジネスOrganization 系の会社・店舗情報BreadcrumbListページ数が少なければ Article

表の読み方は一つだけです。左の列ほど、サイトのほぼ全ページに共通の情報で、一度作れば全体に効く型になっています。

たとえば Organization は、会社の公式サイトの URL、ロゴ、公式プロフィールへのリンク(sameAs)といった情報を伝える型です。公式の例では「会社概要」のページに置かれています。会社情報は全ページで共通なので、一度テンプレートに組み込めば以後ほぼ手がかかりません。

BreadcrumbList はパンくずリストの型です。各階層は ListItem という項目で表し、公式ページでは各項目の item(その階層のページの URL)が必須の項目として挙げられています。パンくずはサイト構造から自動で出せることが多く、ここも手間が小さい型です。

Article はブログ記事やお知らせのための型です。公式の例では、見出し(headline)や画像(image)を記述しています。記事テンプレートにすでにタイトルとアイキャッチ画像があるなら、そこから値を流し込めます。

会社サイトで優先度を仕分ける6ステップ

架空の例で一度通してみます。題材は、BtoB のサービスサイトです。ページは「トップ」「サービス紹介」「資料請求LP」「技術ブログ(記事40本)」「会社概要」の5種類があるとします。

  1. ページの種類を棚卸しする。 URL 単位ではなく「テンプレートの種類」で数えます。この例では5種類です。ブログ40本も、テンプレートとしては1種類です。
  2. 各テンプレートに「ページに見えている情報」を書き出す。 会社概要には社名・ロゴ・SNSのリンク。ブログには記事タイトル・公開日・アイキャッチ。全ページ共通でパンくずがあります。
  3. 見えている情報に対応する型だけを候補にする。 社名とロゴは Organization、パンくずは BreadcrumbList、ブログは Article。資料請求LPには対応しそうな型が見当たりません。ここで無理に探さないのがポイントです。
  4. テンプレートから自動で出せるかで並べる。 Organization とパンくずは共通部品に一度足すだけ。Article は記事テンプレートに1回足せば40本に効きます。どれも手作業がページ数に比例しません。
  5. 1種類ずつ入れて、検証ツールで確認する。 まず Organization とパンくず、次に Article の順にします。まとめて入れると、あとで何が効いたか分からなくなるからです。
  6. 数週間おいて、検索結果の見え方を確かめる。 パンくずの階層が出たか、記事の見え方が変わったかを見ます。変わらなくても、それだけで失敗とは決めません。

この例の結論は「Organization → BreadcrumbList → Article の順、資料請求LPは見送り」です。

ステップ3で資料請求LPを外したのは、さきほどの「中身にないことは書かない」の実践です。LPに商品の価格もレビューもないのに Product を入れれば、ページに見えない情報を書くことになります。

ステップ6で「失敗と決めない」のは、記述が正しくても表示されるとは限らないからです。概要ページも「つながることがある」という書き方にとどめています。検索クエリや端末、検索結果の変動によって、同じページでも見え方が変わることがあります。

よくある誤解:FAQ や HowTo を入れれば目立つ

「質問と回答を並べれば検索結果で大きく表示される」と聞いて、FAQ の型を最優先にしたくなるかもしれません。ただ、FAQ の型を入れても、期待した表示が出ないケースがあります。その切り分け方と、マークアップを残すかの判断はFAQ構造化データが表示されないときの判断にまとめています。

ここから言える一般的な教訓は、見た目の変化が大きい型ほど、提供条件が変わりやすいことがあるという点です。目立つ型を追いかけるより、会社情報・パンくず・記事のように、サイトの中身そのものを素直に表す型を先に固めるほうが、条件の変化に左右されにくくなります。

導入前の自己点検チェックリスト

入れる型を決めたら、着手前に次の5つを確かめてください。1つでも「いいえ」なら、その型は後回しで構いません。

確認すること「いいえ」のときの対応
その情報はページ上に見えているかページに表示してから入れる。表示しないなら入れない
テンプレートから自動で出せるか手書きが必要なら、更新が漏れない体制ができるまで保留
1種類ずつ入れて効果を確かめられるか同時に入れる型を減らす
検証ツールでエラーを確認する担当者は決まっているか確認の手順を先に決める
その型で検索結果の見え方が変わることを期待しているか期待がないなら、優先度を下げる

最後の項目が一番大事です。「なんとなく入れておく」型は、保守の手間だけが残りがちです。

次にやること

まず自社サイトのテンプレートの種類を数えてください。そして、上の判断表で「最初に入れる型」に当たるものが、すでに入っているかを確かめます。入っていれば、次の型に進む前に検索結果の見え方を一度見ておくと、効果を切り分けやすくなります。

書式を JSON-LD にするか Microdata にするかで迷ったらJSON-LDとMicrodataの違いを、入れたあとに Search Console でエラーや警告が出たら構造化データのエラーと警告の直す順番を参考にしてください。

出典

  1. Google 検索セントラル - 構造化データの仕組みの概要
  2. Google 検索セントラル - パンくずリスト(BreadcrumbList)
  3. Google 検索セントラル - 記事(Article)
  4. Google 検索セントラル - 組織(Organization)

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