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FAQ構造化データが表示されない|廃止後の判断

Wemiro編集部読了目安 10
構造化データリッチリザルト技術SEOSearch Console

エラーは出ていないのに、FAQだけ出てこない

リッチリザルトテストは緑。Search Console にも該当の警告はない。なのに、検索結果に「よくある質問」の折りたたみだけが出てきません。

結論を先に書きます。そのマークアップは壊れていません。 Google が FAQ リッチリザルト(検索結果の中で質問と回答が折りたたまれて表示される形式)そのものの提供を終了したからです。FAQPage 構造化データの公式ドキュメントの更新履歴には、次の一文があります。

Added a deprecation notice to the FAQ rich result documentation. Why: This feature will no longer appear in Google Search starting May 7, 2026.

2026年5月7日以降、この表示は Google 検索に出ない。公式がそう書いています。直す対象が、そもそも残っていません。

しかも、これは突然始まった話でもありません。Google 検索セントラルのブログは、それ以前の変更として「FAQ rich results will now only appear for authoritative government and health websites」(FAQ リッチリザルトは、権威ある政府機関と医療系のサイトにのみ表示される)と告知していました。一般の企業サイトやブログは、完全な提供終了より前の段階で、すでに表示の対象から外れていたわけです。

同じ告知では、How-to リッチリザルト(手順を検索結果に展開する形式)についても「no longer shown」と書かれています。手順系のマークアップを入れていて表示が消えた場合も、同じ流れの中にあります。

だから、この記事でやることは「直す」ではありません。自分のケースが本当に仕様変更なのかを切り分けて、マークアップを残すか消すかを決めるところまでです。

まず、原因が仕様変更かどうかを切り分ける

「公式が廃止と言っているなら、確認は不要では」と思うかもしれません。そうとも限りません。FAQ が出ないという症状の裏で、別の型のリッチリザルトまで一緒に落ちていることがあるからです。前者は仕様、後者は自分の問題です。ここを混ぜたまま作業に入ると、原因のない修正に時間を使うことになります。

次の順で確認します。

  1. 対象ページの主要クエリを、実際に検索して目で見る。 自社ページだけでなく、同じクエリで上位に出ている他社ページも見ます。他社の「よくある質問」表示も一様に消えていれば、自社固有の問題ではありません。ここが最初の分岐点です。
  2. リッチリザルトテストと URL 検査ツールで、技術的な検証だけ済ませる。 構造化データの一般的なガイドラインは、技術的な検証にこの2つを使うよう案内しています(原文は "Use the Rich Results Test and URL Inspection Tool for technical validation.")。ここで見たいのは「FAQ が出るか」ではなく、検出とエラーの有無です。目的をずらさないのがコツです。
  3. FAQ 以外の型が検出されているかを確認する。 パンくず、商品、記事など、そのページに入れている他の型がテストで検出されているか。FAQ だけが消えていて他は検出されているなら、話は仕様変更の側に寄ります。逆に、他の型もまとめて検出されていないなら、マークアップの出力自体が壊れている可能性を先に潰します。
  4. Search Console の該当レポートで、対象URL数の推移を見る。 数がゼロに落ちた日と、他の型のレポートが無事かどうかを突き合わせます。全型が同時に落ちていれば、テンプレート更新や配信側の変更を疑う番です。
  5. 1〜4の結果で判断を確定させる。 「他社も出ていない」「他の型は検出されている」「エラーなし」の3つがそろったら、そこで作業を止めます。修正ではなく、次の「残すか消すか」に進みます。

止める判断を明示的に置くのがポイントです。手順の終わりを決めておかないと、緑のテスト結果を前に、直す場所を探し続けることになります。

実例で1回通してみる

架空の例で通します。製品ページの下部に「よくある質問」を6問置いていて、FAQPage 構造化データを JSON-LD(ページのHTMLに埋め込む、機械向けの記述形式)で出力しているサイトだとします。ある時期から、検索結果の折りたたみ表示が消えました。

手順1。製品名のクエリで検索すると、上位の競合4社のうち、以前は折りたたみが出ていた2社も今は出ていません。ここで自社固有の疑いはかなり薄まります。

手順2。リッチリザルトテストにURLを入れると、検出結果にエラーは出ません。手順3では、同じページのパンくずと製品の型が検出されています。FAQ だけが検索結果に現れていない状態です。

手順4。Search Console を見ると、FAQ のレポートだけが特定の時期を境にゼロへ落ち、他の型のレポートは横ばいのままでした。

手順5。3つの条件がそろいました。この時点で、コードの修正は不要と判断します。実際にやることは、6問の中身をページ上で読みやすく配置し直すことと、次のセクションの判断だけです。

残すか、消すか

ここが実際の作業に一番効くところです。廃止された機能のマークアップを、テンプレートから抜くべきか。

Google 検索セントラルのブログには、この点についてはっきりした記載があります。

Structured data that's not being used does not cause problems for Search, but also has no visible effects in Google Search.

使われていない構造化データは検索に問題を起こさない。ただし、Google 検索での目に見える効果もない。残しても害はないが、検索結果上の見返りもない、という整理です。

この一文を踏まえると、判断は次のように分かれます。

状況判断理由
すでにテンプレートに入っていて、動いている急いで消さなくてよい公式は「問題を起こさない」と明記。消す作業自体にリスクとコストがある
これから新規ページに実装しようとしている検索表示を目的にするなら見送る表示されない機能のために工数を使うことになる
出力が壊れかけていて、修正コストがかかる消す側に寄せる見返りのない箇所に保守コストを払い続ける形になる
FAQ以外の型と同じ生成処理を共有している慎重に扱う抜き方を誤ると、他の型の出力まで巻き込むことがあります
ページ上のFAQ本文そのもの残すマークアップの話と、読者が読む中身の話は別です

最後の行が実務では一番大事です。消える対象は「検索結果での見せ方」であって、質問と回答という中身の価値ではありません。手順3で見たケースでいえば、6問の内容はそのまま製品ページに置いておき、購入前に迷いやすい順に並べ替えるほうが効きます。

4行目の「生成処理の共有」も、実際につまずきやすい箇所です。共通コンポーネントが型ごとに分岐して JSON-LD を組み立てている構成だと、FAQ の分岐だけを抜いたつもりで、後続の型の出力が欠けることがあります。抜いた後にリッチリザルトテストをもう一度通す。これだけで防げます。

「エラーなし」は、表示の約束ではない

もう一つ、今回の件をきっかけに整理しておきたい誤解があります。テストが緑なら出るはず、という前提です。

構造化データの一般的なガイドラインには、こう書かれています。

Google doesn't guarantee rich results, even with proper markup.

適切なマークアップであっても、Google はリッチリザルトを保証しない。つまり、テストの緑は「技術的に有効」までを示すもので、表示の確約ではありません。

同じガイドラインは、リッチリザルトの対象になる条件として、Google のコンテンツポリシーとスパムポリシーへの準拠も挙げています("Structured data must comply with Google's content and spam policies to be eligible for rich results in Search.")。あわせて、隠されたコンテンツ・誤解を招くコンテンツ・無関係なコンテンツのマークアップを避けるようにも書かれています。

ここを押さえておくと、次に別の型で「エラーがないのに出ない」に遭遇したときの動き方が変わります。エラーの有無だけを見て堂々巡りせず、対象条件のほうを疑えるようになります。

なお、構造化データの役割そのものは変わりません。公式ドキュメントは、構造化データが Google 検索のページ内容理解を助けるものであり、JSON-LD などの形式で実装するとリッチリザルトにつながりうる、と説明しています。FAQ という一つの表示形式が終わっただけで、マークアップという手段が無効になったわけではない、ということです。

自己点検リスト

自社のケースに当てはめる用に、判断の材料を並べておきます。

  • 同じクエリで、他社ページの「よくある質問」表示も消えているか
  • リッチリザルトテストで、FAQ 以外の型は検出されているか
  • Search Console で、落ちているのが FAQ のレポートだけか
  • FAQ の JSON-LD を抜く場合、他の型と生成処理を共有していないか
  • ページ上の質問と回答の中身は、読者にとって読みやすい位置と順序にあるか
  • 新規実装の計画に、検索表示を目的にした FAQ マークアップが残っていないか

上から4つが「仕様変更かどうか」の切り分け、下2つが「これからどうするか」です。前半で全部にチェックが付いたら、コードを触る理由はありません。

構造化データのレポートで、エラーと警告のどちらから手をつけるべきか迷っている場合は、構造化データのエラーと警告|直す順番の決め方もあわせて確認してください。判断の軸は今回と同じで、公式が言い切っている範囲の内と外を分けるところにあります。

出典

  1. Google 検索セントラル - FAQ structured data (FAQPage)
  2. Google 検索セントラル ブログ - Changes to HowTo and FAQ rich results
  3. Google 検索セントラル - 構造化データの一般的なガイドライン
  4. Google 検索セントラル - 構造化データの仕組みについて

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