怪しい被リンクは否認すべき?確認方法と判断基準
Search Console を開いたら、聞いたこともない海外サイトから大量のリンクが来ていた。順位を下げられるのでは、と不安になる。結論から言うと、ほとんどのサイトでリンクの否認は必要ありません。否認を考えるのは「不自然なリンクが大量にある」と「それが手動による対策の原因になっている、またはなりそう」の2つがそろったときだけです。
被リンクは、他のサイトから自分のサイトに向けて張られたリンクのことです。ここでいう否認(disavow)は、ざっくり言えば「このリンクは自分たちのサイトの評価に含めないでほしい」と申し出る操作のことです。
否認が必要なのは、2つの条件がそろったときだけ
Google のヘルプ「サイトへのリンクを否認する」は、Google は詳しい情報を提供されなくても、どのリンクが信頼できるかを評価できると説明しています。そのため、ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はない、とはっきり書いています。
そのうえで、否認が必要な場合を次のように限定しています。
- サイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くある
- かつ、そのリンクが手動による対策の原因になっている、または今後なる可能性がある
ポイントは「かつ」です。低品質なリンクがあるだけでは、条件の半分しか満たしません。
Search Console には「手動による対策」レポートがあり、ヘルプはそこに記載された問題を直してから審査をリクエストする流れを案内しています。つまり、まず見るべき場所はこのレポートです。
同じヘルプは、Google が第三者サイトでの行為がサイトに悪影響を及ぼさないよう、できる限り取り組んでいるとも述べています。ただし、場合によっては他サイトからのリンクが評価に影響することがある、とも添えています。だから「何をしても絶対に影響しない」とまでは言えません。それでも、確認の順番は変わりません。まず手動による対策の有無を見ます。
まずリンクレポートで被リンクを確認する
被リンクは Search Console の「リンク」レポートで確認できます。外部リンクの欄で「上位のリンクされているページ」と「上位のリンク元サイト」が見られます。リンク元サイトを選ぶと、そのサイトから最もリンクされている自分のページも表示されます。
このレポートには、読み違えやすい性質がいくつかあります。ヘルプに書かれている注意点を、判断にどう効くかと合わせて整理します。
| レポートの性質(ヘルプの記載) | 判断への影響 |
|---|---|
| すべてのリンクを網羅したものではなく、内部リンクと外部リンクのサンプルが表示される | 件数を「全部」と思わない。傾向をつかむ材料として使う |
| これまでに検出したリンクが含まれ、すでに削除されたリンクや存在しないページもありうる | 怪しいリンクが今も残っているとは限らない |
| リンクが nofollow かどうかは示されない | 一覧にあるリンクが、すでに nofollow 付きの可能性もある |
| 「サイト」はルートドメインでまとめられる(www や m. などのサブドメインは省略) | 1行に見えても、複数のサブドメインからのリンクが合算されていることがある |
| CSV やスプレッドシートで最大100,000行までエクスポートでき、「最新のリンク」で最近検出されたものを日付順に見られる | 急に増えた時期を追うときは、エクスポートして日付で並べる |
表の2行目と3行目は特に大事です。一覧に載っているからといって、そのリンクが今も有効で、評価に効く形で張られているとは限りません。
架空サイトで判断フローを通してみる
ここからは架空の例で一度通します。題材は、地域の工務店のサイトです。リンクレポートの「上位のリンク元サイト」に、見覚えのないドメインが8つ並んでいました。どれも外国語で、ページの中身は他サイトの文章を寄せ集めたように見えます。リンク先はほとんどがトップページです。
- 手動による対策レポートを開く。 問題が検出されていないかを確認します。この例では、何も表示されていませんでした。
- 自分の側に心当たりがないかを確かめる。 リンクを買ったことはあるか。過去に依頼した制作会社や SEO 業者が、リンクを集める施策をしていなかったか。この例では、どちらもありません。
- リンクの形を見る。 自分たちで頼んでいない、勝手に張られた寄せ集めサイトからのリンクです。誰かが意図して数多く設置した形跡もありません。
- 2つの条件に当てはめる。 品質の低いリンクはあります。ただ、手動による対策は出ておらず、そうなる原因に心当たりもありません。条件の後半を満たしません。
- 結論を出して記録する。 否認はしません。代わりに、ドメイン名と確認した日を控えておきます。
- 定期的に見直す。 数か月に一度、手動による対策レポートとリンクレポートの「最新のリンク」を確認します。
この例の結論は「否認しない」です。ステップ1で何も出ていない時点で、急いで手を打つ理由はほぼなくなります。
では、ステップ2の答えが違ったらどうでしょう。たとえば数年前、以前の業者が多数のサイトのフッターにリンクを入れていたと分かった場合です。Google のスパムに関するポリシーは、さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンクを、リンクスパムの例に挙げています。こうなると「手動による対策の原因になる可能性がある」に当てはまるので、否認を検討する段階に進みます。
よくある誤解:外部ツールのスコアが高いから否認する
SEO の分析ツールには、リンク元の危険度を数値で示すものがあります。この数値が高いと、すぐ否認したくなるかもしれません。
ただ、こうしたスコアは各ツール会社が独自に計算したものです。Google のヘルプが示す否認の条件は、さきほどの2つで、外部ツールのスコアには触れていません。スコアは「どのリンクから見るか」の並べ替えには使えます。否認するかどうかは、条件に当てはめて決めてください。
似た誤解に「お金を払ったリンクは全部違反」というものもあります。スパムに関するポリシーは、広告やスポンサー目的のリンクの売買を通常の経済活動の一環と認めています。そのうえで、rel="nofollow" や rel="sponsored" を付けていれば違反にならないとしています。広告として出したリンクなら、属性が付いているかをまず確かめるほうが先です。属性の使い分けはsponsored・nofollowの使い分けで詳しく扱っています。
否認すると決めたら:ファイル作成でつまずく所
条件を満たして否認すると決めた場合も、ファイルの作り方にいくつか落とし穴があります。ヘルプに書かれている形式は次のとおりです。
- 否認する URL かドメインを、1行に1つずつ書く
- ドメイン単位で否認するときは
domain:example.comのように「domain:」を付ける example.com/en/のようなサブパス全体は否認できない- ファイルは UTF-8 か 7-bit ASCII のテキストで、名前の末尾は
.txt
いちばん見落としやすいのは、別のリストをアップロードすると、そのプロパティの既存のリストが置き換えられる点です。追記のつもりで新しい数行だけを上げると、前に否認していた分が消えます。追加するときは、前回のファイルに足してから全体を上げ直してください。
もう一つ、リストは選んだプロパティにだけ適用されます。プロパティの持ち方によっては、どこに上げたかで効く範囲が変わることがあります。上げる前に、どのプロパティを選んでいるかを確かめておくと安全です。
なお、手動による対策を受けている場合は、問題を直したあとにレポートから再審査をリクエストします。ヘルプは、レポートにあるすべての問題をすべてのページで直してから審査をリクエストするよう案内しています。リクエストには、問題の説明、直すために行った手順、その結果を書きます。最終決定が届く前に再送信しないことも求めています。
否認する前の自己点検チェックリスト
否認ツールを開く前に、次の5つを確かめてください。最初の2つのどちらかが「いいえ」なら、否認は見送って構いません。
| 確認すること | 「いいえ」のときの対応 |
|---|---|
| 手動による対策レポートに、問題が出ているか(または出る心当たりがあるか) | 否認は不要。リンクの記録だけ残して定期的に見直す |
| 自分または依頼先が、リンクを買う・大量に設置するなどの施策をしたことがあるか | 勝手に張られたリンクとして扱い、否認しない |
| そのリンクは今もページ上に残っているか | レポートは削除済みのリンクも含みうる。残っていなければ対象外 |
| 広告のリンクなら、nofollow か sponsored が付いているか | 付いていれば違反ではない。付いていなければ掲載先に付与を相談する |
| 新しいリストに、前回否認した分も含めているか | 前回分を足してから上げ直す |
正当なリンクまでまとめて否認すると、本来の評価を自分から手放すおそれがあります。迷うリンクは、否認せず記録に回すのが無難です。
次にやること
まず Search Console の「手動による対策」レポートを開いてください。何も出ていなければ、見覚えのない被リンクに急いで手を打つ必要はありません。リンクレポートは、どのページが自然に参照されているかを知る材料として使うほうが、サイト改善に役立ちます。
外部の指標をどう読むかで迷ったらドメインパワーはSEOに関係する?を、順位が急に下がって被リンクを疑っているならコアアップデートで順位が下がったときの判断もあわせて確認してください。
出典
