サイトリンクだけを消す方法はない|公式の手段と判断手順
「この1本だけ消したい」に応える手段は用意されていない
自社名で検索すると、トップに自社サイトが出る。その下に、サイト内の別ページへのリンクがいくつか並ぶ。これがサイトリンク(検索結果のタイトルの下に表示される、サイト内の各ページへのリンク)です。
問題は、そこに出てほしくないページが混ざっているときです。終了したキャンペーン。使っていない古い問い合わせフォーム。社内向けに作ったつもりの一覧ページ。
先に結論を言います。Google公式のサイトリンクのドキュメントが「削除が必要な場合」の手段として挙げているのは、ページを削除するか、noindex タグ(そのページを検索結果に表示させないための指示)を使うかの2つです。どちらも、サイトリンクの1本だけを狙って消すものではありません。ページそのものが検索結果から消えます。
つまり「このリンクだけ消したい」という願いは、そのままでは叶いません。代わりに答えるべき問いはこう変わります。そのページは、検索結果に出なくていいページなのか。
ここを決めれば手は決まります。決めずに手段だけ探すと、robots.txt をいじって余計にこじれる、という典型的な失敗コースに入ります。
公式ドキュメントが書いていること
まず、根拠にする範囲をはっきりさせます。
サイトリンクのドキュメントには、削除の手段として「ページを削除するか、noindex タグを使う」と書かれています。あわせて、サイトリンクはアルゴリズムがユーザーの検索クエリ(検索した言葉)に関連しないと判断した場合には表示されない、とも書かれています。表示するかどうかを決めているのは、こちらではなく検索側だということです。
同じドキュメントは、サイト側で整えるべきものとして、見出し、関連する内部リンクによる論理的なサイト構造、そして繰り返しの多いコンテンツを避けることを挙げています。サイトリンクは、ユーザーの時間を節約する近道を見つけるためのもの、という位置づけです。
削除の側は、別のドキュメント(自分のサイトのページを検索結果から削除する方法)にまとまっています。抜粋の範囲では、手段は3つ示されています。
- ページのコンテンツを削除または更新する — 最も安全な方法とされています。noindex に対応していない他の検索エンジンにも効き、かつ他の人がそのページにアクセスできなくなります。
- ページをパスワードで保護する — アクセスを制限することで、適切なユーザーには見せつつ、Googlebot や他のクローラー(サイトを巡回して情報を集めるプログラム)のアクセスを防げます。
- noindex タグを追加する — ただし、noindex が止めるのは「Google検索結果への表示」だけです。ユーザーや、noindex に対応していない他の検索エンジンは、引き続きそのページにアクセスできます。
そして同じ場所に、はっきりした禁止があります。robots.txt でそのページをブロックしないこと。急いでいる場合には「削除」ツールで1日以内に検索結果から削除できる、とも書かれています。
消すか残すかを4分類で決める
ここまでを、自分のサイトの1本のURLに当てはめられる形にします。判定は「そのページの役割」で決めます。
| そのページの状態 | 取る手段 | 起きること・注意点 |
|---|---|---|
| もう役目が終わった。誰にも見せなくてよい | ページのコンテンツを削除または更新する | 公式が最も安全とする方法。他の検索エンジンにも効き、他の人からもアクセスできなくなる |
| 内容は残したいが、見せる相手を限りたい | パスワードで保護する | Googlebot や他のクローラーのアクセスを防げる。社内資料や会員向けページ向き |
| ページは公開したまま、検索結果には出したくない | noindex タグを付ける | Google検索結果には出なくなる。ただしURLを知っているユーザーは見られる |
| ページも検索結果も残したい。出方だけ変えたい | 消す手段はない。構造側を整える | サイトリンクとして出すかどうかはアルゴリズムの判断。後述の構造改善に回す |
4つめが、実は一番多いケースです。「このページ自体は必要だが、社名で検索した人の目に最初に入る位置ではない」というときですね。ここに削除や noindex を持ち込むと、目的に対して代償が大きすぎます。
一つめは、終了したキャンペーンページがまさにこれです。残す理由がないなら、いちばん安全な手段が使えます。三つめは「採用の応募要項は残したいが、検索から直接来られると困る」といった場合が当てはまります。
5ステップで1本のURLを処理する
実際に手を動かす順番です。ここでは「example.com を社名で検索したら、終了した /campaign/2024-summer/ がサイトリンクに出ていた」という場面で通してみます。
- 出ているURLを、表記ゆれごと書き出す。 ここを飛ばすと必ず取りこぼします。公式ドキュメントは、同じページを指すURLが複数ありうる例として
example.com/puppies、example.com/PUPPIES、example.com/petchooser?pet=puppiesを挙げ、削除したい内容についてはURLのすべてのバリエーションに対して保護または削除を行うよう求めています。今回の例なら、末尾スラッシュの有無、index.html付き、パラメータ付きの共有用URLまで並べます。 - 上の4分類に当てる。 終了キャンペーンで、社内的にも参照されていない。ならば1行目、「削除または更新」です。ここで迷うなら、それは分類の問題ではなく、そのページを残したい理由がまだ言語化できていないだけのことが多いです。
- 決めた手段を実行する。 削除するなら、サーバー側でページを消す。残すなら noindex を付ける。手段を混ぜないことが大事です。
- robots.txt でブロックしていないか確認する。 公式が明示的に「robots.txt でページをブロックしないでください」と書いている場所です。ブロックしたまま noindex を付けても、思ったとおりに消えないことがあります。この落とし穴はnoindexを設定したのに検索結果から消えないときで詳しく扱っています。
- 急ぐなら削除ツールを使い、そのうえで根本の手当てを残す。 公式は「削除」ツールで1日以内に検索結果から削除できるとしています。ただし、これは急ぎの手段として案内されているものです。ツールに任せきりにせず、1〜4で決めた手段を実際に適用しておくのが安全です。
このワークスルーで大事なのは、2番目です。手段を探す前に分類を決める。順番を逆にすると、消し方の情報を集めては迷う時間が延びます。
つまずきやすいところ
robots.txt で消そうとする。 これがいちばん多い間違いです。公式が明確に否定しています。クロールを止めることと、検索結果から消すことは別の操作です。
noindex を「サイトリンクだけの設定」だと思う。 noindex はページ単位の指示です。サイトリンクから消えるかわりに、そのページは通常の検索結果からも出なくなります。狙いがサイトリンクの整理だけなら、代償が見合っているか確かめてください。
消えたのを見て、設定が効いたと判断する。 ここは慎重に見たほうがよいところです。公式は、アルゴリズムが検索クエリに関連しないと判断すればサイトリンクは表示されない、としています。つまり、検索する言葉によって出方が変わりうるということです。ある言葉で見て消えていても、それだけで恒久的に処理できたとは限らない場合があります。別の言い回しでも検索して確かめておくと安心です。
URLのバリエーションを取りこぼす。 ステップ1で書き出す作業をていねいにやる理由がここにあります。1本だけ手当てして安心し、大文字違いのURLが残っていた、というのはよくある話です。
「出したいリンクが出る」側を整える
4分類の4行目、つまり削除も noindex も使えないケースの打ち手です。ここは消す話ではなく、検索側が近道として選びやすい形にサイトを整える話になります。
公式ドキュメントがサイトリンクの文脈で挙げているのは、次の3点です。見出しを整えること。関連する内部リンクで論理的なサイト構造を作ること。繰り返しの多いコンテンツを避けること。SEOスターターガイドの側では、関連性のあるアンカーテキスト(リンクが設定されている文字)を使うこと、重複したURLを正規化すること、Search Console でサイトの状況を監視することが挙げられています。
自社サイトで進めるなら、この順番が実務的です。
- 主要ページの内部リンクを数える。 共通のフッターやサイドバーから、特定のページにだけリンクが大量に集まっていないか見ます。全ページから貼られているリンクは、サイト内での重み付けとしては均一になりがちです。
- アンカーテキストを具体的に書き換える。 「こちら」「詳細」で貼られているリンクは、リンク先が何なのかを文字だけでは伝えていません。書き換えの判断基準はアンカーテキストの書き方にまとめてあります。
- 階層を、人が見て分かる形に直す。 論理的なサイト構造とは、URLの見た目の整い方というより、「どのページからどのページへ行けるか」の筋道です。設計の考え方は内部リンクの最適化が参考になります。
- 繰り返しの多いコンテンツを減らす。 同じ内容のページが複数あるなら、どれを残すかを決めます。
- Search Console で変化を追う。 施策の前後で、どのページの表示が増減したかを見ます。
ひとつ、期待値の話をしておきます。ここまでやっても、狙ったページがサイトリンクに出るとは限りません。表示の判断はアルゴリズム側にあるからです。これは施策の失敗ではなく、そもそもコントロールできない部分です。だから、構造改善の成果は「サイトリンクの並び」ではなく、サイト全体の回遊や流入で測るほうが健全です。
自己点検チェックリスト
作業に入る前に、この5項目を埋めてください。埋まらない項目があるなら、そこが今の詰まりどころです。
| 点検項目 | 埋まっていない場合 |
|---|---|
| 消したいURLを、表記ゆれ込みで全部書き出したか | ステップ1に戻る。1本だけの手当ては漏れる |
| そのページを検索結果から消してよいか、言葉にできるか | 4分類の判定に戻る。消してよくないなら構造改善へ |
| 選んだ手段は、削除・パスワード保護・noindex のどれか1つに決まっているか | 手段を混ぜない。目的から1つ選ぶ |
| robots.txt でそのURLをブロックしていないか | ブロックを外す。公式が明示的に避けるよう書いている |
| 別の検索語でも表示を確認したか | クエリによって出方が変わりうる。1つの言葉だけで判断しない |
サイトリンクは、自分で並べるものではありません。並べ替えのつまみを探す時間を、そのページを検索結果に残すかどうかの判断と、サイト構造の手入れに振り替える。それが、公式ドキュメントの範囲で確実にできることです。
出典
