内部リンクの貼り方と設計|評価を集めて回遊を増やす
内部リンク(同じサイト内のページ同士をつなぐリンク)は、地味なわりに効き目の大きい取り組みです。新しくページを作ることに比べて手間が小さく、今あるページを結び直すだけで、Googleにページを見つけてもらいやすくしたり、訪問者にもう1ページ見てもらったりできるからです。
一方で「とりあえず関連しそうなページへ張っておく」だけでは、効果はなかなか伸びません。どのページに評価(重要度)を集めたいのか、訪問者にどう動いてほしいのかを決めてから張ると、同じリンク1本の意味が変わります。
この記事では、内部リンクの基本の考え方と、今あるサイトを見直して張り直す5ステップを、自分のサイトを自分で改善する担当者の目線で解説します。根拠はGoogleの公式ドキュメントに置き、それを実際の作業手順と判断の目安に落とし込みます。
まず押さえる前提:Googleはリンクをどう使うか
内部リンクを設計する前に、Googleがリンクを何に使っているかを押さえておくと、判断がぶれません。
Googleの公式ドキュメントは、ページ同士の関連性を判断したり、クロール(Googleがページを巡回して情報を集めること)する新しいページを見つけたりするときに、リンクを手がかり(シグナル)として使うと説明しています。つまりリンクは、ページとページの関係をGoogleに伝える信号の役割を持っています。
その際にGoogleがたどれるのは、通常、href属性を持つ標準的な<a>要素で書かれたリンクだけ、とされています。ボタン風の見た目でも、クリックで動く仕組みがJavaScriptだけに頼っていて<a href="...">の形になっていないと、リンクとしてたどってもらえないことがあります。まずは普通のテキストリンクの形になっているかが出発点です。
新しいページの見つけ方について、Googleの「検索の仕組み」ドキュメントは、新しいページは、Googleがすでに知っているページからリンクを抽出することで検出されると説明し、その例として「カテゴリページなどのハブページの新しいブログ投稿へのリンク」を挙げています。ページを見つけてもらう方法にはサイトマップ(クロールを希望するページの一覧)の提出もありますが、内部リンクは日々の更新のなかで自然に発見の経路をつくれる点が違います。
そして公式ドキュメントは、関心のあるすべてのページに、同じサイト内の少なくとも1つ以上の別ページからのリンクがあることを推奨しています。裏を返せば、どこからもリンクされていない「孤立したページ」は、それだけで見つけてもらいにくくなる可能性があるということです。
ここまでを整理すると、内部リンクの土台になる公式の要点は次の3つです。
| Googleの説明 | 内部リンク設計への意味 |
|---|---|
| リンクを関連性の判断・新規ページ発見のシグナルに使う | どのページ同士をつなぐかが、そのままGoogleへの合図になる |
たどれるのは通常 href 付きの <a> リンク | まず普通のテキストリンクの形にする |
| 関心のあるすべてのページに最低1本の内部リンクを推奨 | 孤立ページをなくすことが最優先の下地 |
設計の考え方:評価を「集める」と回遊を「つなぐ」
内部リンクの目的は、大きく2つに分けて考えると迷いません。1つは評価を集めること、もう1つは回遊(1人の訪問者が複数ページを見て回ること)をつくることです。
評価を集めるとは、成果につなげたい重要なページ(主要なサービス紹介や、まとめ記事など)に、関連する複数のページからリンクを向けることです。Googleがリンクを関連性のシグナルとして使う以上、重要ページへ関連ページから自然にリンクが集まっている状態は、そのページの位置づけをGoogleに伝えやすくなると考えられます。これは保証された順位効果ではありませんが、設計の方向としては理にかなっています。
回遊をつくるとは、訪問者が「次に知りたいこと」に自然に進めるよう、本文の文脈のなかでリンクを置くことです。公式ドキュメントも、リンクを張るときはそのページの内容を読者に理解してもらうのに役立つ、同じサイト内の別のリソースは何かを、文脈を踏まえて検討するようすすめています。ヘッダーやフッターの共通メニューだけに頼らず、本文の流れのなかで「この続きはこちら」と案内するイメージです。
この2つを両立させる定番の形が、ハブ&スポーク(中心となるまとめページ=ハブと、個別の詳しい記事=スポークを相互にリンクでつなぐ設計)です。ハブから各スポークへ、各スポークからハブへ、そして関連の深いスポーク同士へリンクを張ると、中心のページの位置づけをGoogleに伝えやすくなり、訪問者も回遊を続けやすくなると考えられます。
内部リンクを見直す5ステップ
ここからが実作業です。すでにあるサイトを対象に、次の順で見直すと迷いません。
- 「集めたい重要ページ」を3〜5本決める:成果に直結するページや、そのテーマの入口になるまとめページを選びます。あれもこれもと10本以上に広げると、どのページを重要と伝えたいかがぼやけやすいので、まずは絞ります。
- 孤立ページと「入口が少ない重要ページ」を洗い出す:どこからもリンクされていないページ、または重要なのに他ページからのリンクが1〜2本しかないページを探します。公式が「最低1本」を推奨する以上、ゼロ本のページの解消が最優先です。
- 本文の文脈から重要ページへリンクを足す:関連する記事の本文中で、話題が重要ページに触れる箇所にリンクを置きます。共通メニューではなく本文中に置くのは、文脈に沿った案内のほうが訪問者にもGoogleにも内容が伝わりやすいためです。
- アンカーテキストをリンク先が分かる言葉にする:リンク部分の文字を、遷移先の内容が想像できる具体的な言葉にします(次章で詳しく扱います)。
- 重要ページから関連ページへの「戻り」も張る:ハブから各スポークへの導線を用意し、訪問者が回遊を続けられるようにします。ここまでで、重要ページへ複数の入口が集まり、かつ行き止まりのない状態に近づきます。
「何本張るか」に絶対の正解はありませんが、目安としては1つのページで、本文の流れを止めない範囲で数本にとどめると読みやすさを保てます。関連性の低いページへ機械的に大量リンクを張ると、どのリンクも重要そうに見えなくなり、訪問者にも雑多な印象を与えます。関連性が高い順に、必要な本数だけが原則です。
ワークスルー:架空テーマ「SEOの始め方」で試す
手順を実際のケースに一度通します。内容はすべて説明用の架空の例です。
「SEOの始め方」という初心者向けのまとめページ(ハブ)を重要ページに選んだとします。ステップ2でサイトを見渡すと、次の状態でした。
| ページ | 状態(例) |
|---|---|
| SEOの始め方(ハブ・重要ページ) | 他ページからのリンクがトップメニューの1本のみ |
| 検索意図の調べ方(スポーク) | ハブからも他記事からもリンクされていない孤立ページ |
| タイトルの付け方(スポーク) | ハブへのリンクはあるが、関連記事へのリンクはなし |
ここで打ち手は明確になります。まずステップ3で、「検索意図の調べ方」の本文にSEOの始め方を紹介する自然な一文を足し、逆にハブ側からも「検索意図の調べ方」へリンクを張って孤立を解消します。次にステップ4で、リンク文字を「くわしくはこちら」ではなく「検索意図の調べ方」のように内容が分かる言葉にします。最後にステップ5で、「タイトルの付け方」から関連の深い「検索意図の調べ方」へ横のリンクを足し、スポーク同士をつなぎます。
こうして張り直すと、ハブに複数のスポークからリンクが集まり、どのスポークからも隣の関連記事へ進める状態になります。Googleにとっては「SEOの始め方」が中心的なページだと伝わりやすくなり、訪問者にとっては読み進める道ができます。数値の改善を保証するものではありませんが、孤立ページを放置した状態よりも、発見と回遊の両面で有利になります。
アンカーテキストの付け方:良い例・避けたい例
アンカーテキストは、リンクの「行き先の看板」です。Googleの公式ドキュメントは、内部リンクのアンカーテキストに注意を払うと、ユーザーやGoogleがサイトの内容を把握しやすくなり、サイト内の別ページも見つけやすくなると説明しています。看板の文字が具体的なほど、クリックする前に中身が想像でき、Googleにもページの主題が伝わりやすくなります。
この考え方からすると、望ましい書き方と避けたい書き方は次のように整理できます。避けたい例の判断は、公式が示す「内容を把握しやすくする」という目的に照らした筆者の推奨です。
| 書き方 | 例 | なぜそう判断するか |
|---|---|---|
| 望ましい:内容が分かる具体語 | 「検索意図の調べ方」 | クリック前に行き先が分かり、主題も伝わる |
| 避けたい:中身のない指示語 | 「こちら」「詳細はこちら」 | 文字だけ見ても行き先が分からず、看板の役割を果たしにくい |
| 避けたい:同じ語の詰め込み | 「SEO SEO対策 SEOツール」 | 読みにくく、どのページも同じに見えてしまう |
指示語のリンクがすべて悪いわけではありませんが、重要ページへのリンクほど、内容が分かる言葉にすると効果が出やすくなります。まずは集めたい重要ページに向かうリンクから見直すのがおすすめです。
よくある誤解とつまずき所
内部リンクの見直しで、見落としやすい点を3つ挙げます。
共通メニューだけで足りていると思い込む。 ヘッダーやフッターのメニューは全ページに出ますが、そこに載るのは主要ページの一部だけです。本文の文脈から張るリンクがないと、個別記事同士がつながらず、回遊も評価の集約も進みません。メニューは土台、本文リンクが本命だと考えましょう。
リンク先を移したのに古いリンクを残す。 ページのURLを変えたり統合したりしたあと、本文の内部リンクを古いURLのままにすると、転送(リダイレクト)が積み重なることがあります。大規模なサイト向けのクロール管理ガイドでは、クロールに悪影響を及ぼす長いリダイレクト チェーンは避けるよう案内されています。URLを変えたら、そこへ向かう内部リンクも新しいURLに張り替えておくのが安全です。
検索の意図が時期で動くのに導線を固定する。 季節やトレンドで「次に知りたいこと」が変わるテーマでは、同じリンク配置がいつも最適とは限りません。時期に応じて、ハブから優先的に案内するスポークを入れ替えるといった運用が効くことがあります。これは絶対のルールではなく、変化の大きいテーマで検討する余地がある、という程度に捉えてください。
自己点検チェックリスト
手を動かす前に、今のサイトの状態を確認しておきましょう。当てはまらない項目があれば、そこが最初の改善点です。
- 集めたい重要ページを3〜5本に絞って決めた
- どこからもリンクされていない孤立ページがないか洗い出した
- 重要ページに、複数の関連ページの本文からリンクを向けた
- リンクは共通メニュー任せにせず、本文の文脈からも張っている
- アンカーテキストが「こちら」ではなく内容の分かる言葉になっている
- URLを変えたページへの内部リンクを、新しいURLに張り替えた
- リンクの形が、通常のテキストリンク(href付き)になっている
内部リンクは、新しく作った記事をGoogleやユーザーに見つけてもらううえで、大きな手がかりの1つになります。作ったのに見つけてもらえない状態を防ぐ観点は、インデックスされない原因の切り分けでも詳しく扱っています。また、似た内容のページが複数あって評価が分かれてしまうときの整理は、重複コンテンツとcanonicalの考え方が参考になります。まずは今日、孤立ページを1本だけ見つけて、関連する本文からリンクを1本足すところから始めてみてください。
Wemiroは、サイト内で孤立しているページやリンクが不足している重要ページを見つけ、内部リンクの改善候補を直感的に把握できることを目指したSEO分析ツールです。手作業での棚卸しに時間がかかるとき、こうした仕組みが「どこから直すか」の判断を助けてくれます。
出典
