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Search ConsoleとGA4の数字が合わない理由と乖離の点検手順

Wemiro編集部読了目安 12分
Search ConsoleGA4アクセス解析

Search Consoleでは先月のクリック数が1,000。GA4で同じ期間のGoogle検索からの訪問を見ると820。180件はどこへ消えたのか。計測タグの設置を間違えたのではないか。そう不安になって、この数字の差を調べている担当者は少なくありません。

答えを先に書きます。2つの数字は、一致しなくても不思議ではありません。Search Consoleのクリック数は「検索結果の画面で起きたこと」を数えた数字です。GA4のセッション数は「サイトに着いたあとの訪問」をまとめた単位です。数える場所も、数え方の単位も違います。

だから、差があること自体は異常ではありません。見るべきなのは差の大きさそのものではなく、自社サイトの「いつもの差」から急に外れていないかです。

2つの数字は「数える場所」が違う

まず、言葉をそろえておきます。

  • クリック数(Search Console): Googleの検索結果に出た自社サイトへのリンクが押された回数です。
  • 表示回数(Search Console): 自社サイトへのリンクが検索結果に出た回数です。
  • セッション数(GA4): 1回の訪問をひとまとまりにした単位です。サイトに来てから離れるまでを1つと数えます。

表示回数について、Search Consoleのヘルプは「ユーザーが検索、Discover、ニュースで自社サイトへのリンクを見た(または見た可能性がある)」ことを指すと説明しています。そして、一般的には結果の現在のページに項目が表示されれば、スクロールして見える位置まで来たかどうかに関係なく数えられる、とも書いています。

ここから読み取れるのは、Search Consoleの数字が検索結果の側で数えられているということです。一方のGA4のセッション数は、当社の整理では、サイトに着いたあとの側の数字です。クリックは「入口の扉を押した回数」、セッションは「部屋に入って過ごした回数」に近いと考えると、ずれが起きる理由が見えやすくなります。

扉を押しても、部屋に入らない人がいます。一度入った人が、扉を何度か押し直すこともあります。

差が生まれる6つの要因

では、具体的に何がずれを生むのか。公式ヘルプで確認できる仕様と、仕組みから考えられる要因を分けて並べます。

要因多くなりやすい側根拠の種類確かめる場所
① ページが表示される前に離れるSearch Console仕組みからの推測表示速度・モバイル比率
② 計測が止められている(拒否・ブロック)Search Console仕組みからの推測同意バナーの設定・導入時期
③ 30分以内に検索結果から戻ってきて再訪Search ConsoleGA4の既定タイムアウトは公式GA4のセッション設定
④ グラフと表で集計の単位が違うどちらとも言えない公式Search Consoleのグラフ合計と表合計
⑤ 日付の区切り・速報データどちらとも言えない速報データは公式比べている期間の粒度
⑥ GA4のセッション数は推定で集計されるどちらとも言えない公式小さな差は気にしない

表は置いただけでは使えないので、1つずつ冒頭の「1,000クリックと820セッション」に当てはめていきます。

① ページが表示される前に離れる

検索結果でリンクを押したあと、ページが表示されきる前に戻る人がいます。この場合、Search Consoleにはクリックとして残る一方で、GA4の計測が動く前に離れてしまい、セッションが記録されないことがあります。

表示が遅いページや、スマートフォンからの閲覧が多いページほど、この差は大きくなりやすいと考えられます。冒頭の180件の一部は、この「扉を押して入らなかった人」の可能性があります。

② 計測が止められている

訪問者がCookie(閲覧情報の保存)の利用を拒否したり、広告をブロックする機能を使っていたりすると、GA4の計測が動かない場合があります。訪問そのものはあっても、GA4には残りません。

注意したいのは、自社サイト側の変更で急に差が広がることがある点です。同意バナーを新しく入れた月から差が大きくなった、というのはよくある形です。

③ 30分以内に戻ってきて再訪する

GA4のヘルプは、ウェブのセッションのタイムアウトが既定で30分であり、管理画面から変更できると説明しています。

ここから、次のような場面が考えられます。ある人が検索結果から記事を開き、いったん検索結果に戻り、別の検索語で同じサイトの別の記事を開いた。Search Consoleではクリックが2回です。しかしGA4では、30分の区切りの中にある一連の行動として、1つのセッションにまとまることがあります。

1クリック=1セッションではない。この差は、計測の不具合ではなく単位の違いです。

④ グラフと表で集計の単位が違う

これはSearch Consoleの中だけで起きる差です。検索パフォーマンスのヘルプによると、グラフのデータはプロパティ単位で集計されます。表のうち、デバイスや日付でまとめたものもプロパティ単位です。一方、ページや検索での見え方でまとめた表はページ単位で集計されます。そのため、グラフの合計と表の合計が異なることがある、と書かれています。

GA4と比べるときに効いてくるのは、ここです。GA4で「ランディングページ(訪問者が最初に開いたページ)」ごとにセッション数を見るなら、Search Console側もページ単位の表の数字と比べるのが筋です。グラフの合計とページ別の数字を混ぜて比べると、2つのツールの差に、Search Consoleの中の差が上乗せされます。

⑤ 日付の区切りと速報データ

Search Consoleでは、期間を24時間表示にすると、グラフの各点が1時間単位になり、速報データを含むとヘルプに書かれています。また、グラフと表の時間の粒度は、1時間・1日・1週間・1か月から選べます。

速報データを含む直近の数字は、後から変わる可能性があると考えておくのが安全です。また、2つのツールで日付の区切り方(タイムゾーンの設定など)がそろっている保証はありません。日別で比べると、日の境目にまたがる訪問の分だけ数字が揺れることがあります。比べるなら週単位か月単位にしておくと、この揺れの影響を受けにくくなります。

⑥ GA4のセッション数は推定で集計される

GA4のヘルプは、アクティブユーザーやセッションなどよく使われる指標について、HyperLogLog++という方式で個別の件数を推定していると説明しています。そのため、以前の計算方法と比べて小さな差が出ることがある、としています。

同じヘルプには、レポートとBigQuery(GA4のデータを書き出して分析する仕組み)でセッション数がわずかに違う例が載っています。先週はレポートで1,463、BigQueryで1,501。今週はレポートで1,828、BigQueryで1,876。数は少しずつ違いますが、どちらも25%の増加です。

この例は、乖離の見方そのものの手本になります。**同じGoogleのツールの中でさえ、数は完全には一致しない。それでも増減の方向は読める。**Search ConsoleとGA4を比べるときも、同じ考え方が使えます。

「いつもの差」から外れたかを見る5つの手順

ここまでの要因を踏まえて、差が正常の範囲か、何か起きているのかを判断する手順にします。

  1. 比べる範囲をそろえる: 期間は1か月単位にします。Search Consoleは検索の種類を「ウェブ」にし、ページ別の表で対象ページのクリック数を取ります。GA4は、Google検索からの訪問に絞り、同じページをランディングページとしたセッション数を取ります。
  2. 乖離率を出す: 「(クリック数 − セッション数)÷ クリック数」で、何%少ないかを出します。
  3. 過去3か月分を並べる: 同じ計算を過去3か月分も行い、その幅を「自社サイトのいつもの差」とします。
  4. いつもの幅から外れているかを見る: 当社の目安では、いつもの幅から5ポイント以上外れた月だけを調べる対象にします。幅の中に収まっていれば、差の大きさ自体は気にしません。
  5. 外れた月の変化を洗い出す: 同意バナーやタグの変更、ページの作り替え、リダイレクト(別URLへの転送)の追加、表示速度の悪化など、その月に自社サイトで変えたことを並べ、上の表の①〜③のどれに当たりそうかを当てはめます。

5ポイントという数字は、Googleが示している基準ではありません。サイトの規模や訪問者の傾向で、いつもの差は大きく変わるからです。大事なのは固定の正解値を探すことではなく、自社の過去と比べることです。

冒頭の例で通してみる

冒頭のサイトで、ある記事ページについて5つの手順を実際に当てはめてみます(数字は説明のための例です)。

  • 手順1・2: 今月はクリック数1,000、セッション数820。乖離率は18%です。
  • 手順3: 過去3か月は16%・19%・17%でした。いつもの幅は16〜19%です。
  • 手順4: 今月の18%は幅の中に収まっています。調べる必要はありません。

ところが翌月、同じページでクリック数1,050に対してセッション数が610だったとします。乖離率は約42%です。いつもの幅から20ポイント以上外れています。

  • 手順5: その月に変えたことを洗い出すと、月の初めにCookieの同意バナーを入れ替えていました。要因の②に当たる可能性が高い、という仮説が立ちます。

ここで注意したいのは、これは「仮説」にとどまる点です。同じ月に検索順位が動いたり、スマートフォンからの訪問の割合が変わったりしていれば、要因が重なっている可能性もあります。同意バナーの設定を確認し、翌月以降に乖離率が元の幅に戻るかで確かめていきます。

よくある誤解:「連携すれば数字はそろう」

GA4とSearch Consoleは連携できます。GA4のヘルプによると、連携するとGA4の中で、どの検索語がクリックにつながったか、そしてそのクリックがどのランディングページでの関わりや主要なイベント(申し込みなど、重要として設定した行動)につながったかを分析できるようになります。

ただし、連携したからといって、2つの数字がそろうとは限りません。当社では、連携を2つの数字を同じ画面で見比べやすくするものと捉えています。並べて見られるようになる分、差が目に入りやすくなる、と考えておくと慌てずに済みます。

また、GA4のヘルプでは、Search Console関連のレポートは連携を作るときに選んだウェブのデータストリーム(GA4に計測データを送る経路)のデータを使うとしています。複数のデータストリームがあるプロパティでは、比べているデータの範囲が自社の想定と合っているかも確認しておくと安心です。

2つの数字の使い分け

一致しない2つの数字は、役割を分けて使うと迷いが減ります。

知りたいこと使う数字理由
検索結果でどれだけ見られ、押されたかSearch Consoleの表示回数・クリック数検索結果の側で数えた数字だから
どの検索語から人が来ているかSearch Consoleのクエリ別の表検索語はSearch Consoleが持つ情報だから
来た人がサイトで何をしたかGA4のセッション数・主要なイベントサイトに着いたあとを記録した数字だから
計測が壊れていないか2つの乖離率の推移いつもの差からの外れで異常に気づけるから

社内で報告するときも、この分担を先に決めておくと話が早くなります。たとえば「検索での集客力はSearch Consoleのクリック数で、サイトでの成果はGA4で見る。2つの差は毎月の乖離率で監視する」と決めておけば、数字が合わないこと自体で議論が止まりにくくなります。

自己点検チェックリスト

数字が合わずに不安になったら、次の順に確かめてみてください。

  • 比べている期間は、週単位か月単位になっているか
  • Search Consoleのグラフ合計とページ別の表の数字を混ぜていないか
  • GA4はGoogle検索からの訪問に絞れているか
  • 直近数日の速報データを含めて比べていないか
  • 乖離率を過去3か月と比べたか
  • いつもの幅から外れた月に、同意バナー・タグ・リダイレクトの変更がなかったか

すべて確認して、乖離率がいつもの幅に収まっているなら、その差は2つのツールの仕様の違いから来ていると考えてよいでしょう。

GA4側でGoogle検索からの訪問を正しく取り出す方法は「GA4の流入チャネルの見方|まず見る3つの数字と異常の見分け方」に、Search Consoleのクリック数そのものが減ったときの点検の順番は「Search Consoleのクリック数が減った時に確認する5つのチェックポイント」にまとめています。差の監視とあわせて使ってみてください。

出典

  1. 表示回数、掲載順位、クリック数とは(Search Console ヘルプ)
  2. 検索パフォーマンス レポートについて(Search Console ヘルプ)
  3. [GA4] セッションについて(アナリティクス ヘルプ)
  4. [GA4] Search Console を Google アナリティクスにリンクする(アナリティクス ヘルプ)

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