外部リンクを貼ると評価は逃げる?公式が示す判断軸
参考にした一次情報へリンクを貼りたい。でも、自分のサイトの評価が外に逃げそうで怖い。だから念のため、全部の外部リンクに rel="nofollow" を付けている。
その「念のため」は、公式ドキュメントの記述と逆を向いています。
Google のSEO リンクに関するベスト プラクティスには、この属性について「情報提供元を信用していない場合のみ使用し、すべての外部リンクに使用することは避けてください」と書かれています。「避けてください」です。判断の軸は、評価が何ポイント動くかではありません。相手を信用しているか、お金が絡んでいるか、そのリンクを入れたのは誰か。この3つです。
公式が書いているのは「全部に付けるな」
同じ箇所には、使ってよい場面の例も添えられています。自分が大好きなチーズを厳しく批判する記事を誰かが公開した。反論記事を書くことにしたが、リンクを張ることで相手にランキング評価を与えたくはない。「このような場合は nofollow を使用するのが適切です」——公式が挙げているのは、こういう限定的な場面です。
ここが引っかかりどころだと思います。「評価を与えたくない場合に使う」と書いてある以上、リンクには何かが伴っている、と読めてしまう。だから全部に付けたくなる。
けれど、続く一文が「すべての外部リンクに使用することは避けてください」なのです。同じ段落の中で、使いどころを示したうえで一律運用を否定している。少なくとも今回参照した4ページに書かれているのは、評価が何割移るかという量の話ではなく、どの属性をどの場面で使うかという使い分けの話でした。
貼ること自体は、公式が価値を認めている
SEO スターター ガイドは、リンクにこう触れています。新たなページの発見のほとんどはリンクを通じて行われている。そして「リンクは、執筆内容の裏付けとなる別のコンテンツにユーザーや Google をつなげるという点でも価値があります」。
裏付けにつなげる、という言い方に注目してください。
同じガイドには「必要に応じてリンクする」という見出しがあり、リンクによってトピックの背景を補足でき、それは自分の知識を示すことにもなる、と書かれています。ただし条件が付きます。他のサイトにあるような管理外のページにリンクするときは、リンク先が信用できるものか確認すること。
確認すべきなのは、量ではなく信用です。
3つの質問で決める
一律運用をやめると、今度は毎回迷います。迷わないように、質問の順番を決めてしまうのが早いです。公式の記述を、上から順に答えられる形に組み替えたのが次の表です。
| 質問 | はいの場合 | 根拠になる公式の記述 |
|---|---|---|
| 1. そのリンクについて、金銭やそれに準じるものを受け取っている? | sponsored(または nofollow) | 「リンクに関して何かの形で支払いを受け取っている場合は、sponsored または nofollow でリンクを修飾してください」 |
| 2. そのリンクを入れたのは、自分ではなく読者?(コメント欄・投稿フォーム・Q&A) | ugc(または nofollow) | 「ユーザーがサイトにリンクを挿入できる場合も、ugc または nofollow を追加します」 |
| 3. リンク先の情報提供元を、自分は信用していない? | nofollow | 「情報提供元を信用していない場合のみ使用し」 |
| 上の3つがすべて「いいえ」 | 属性なし | 「属性を追加する必要がありません」 |
一つめは、記事広告やアフィリエイトの案件がこれに当たります。判断に迷ったら「この掲載でお金が動いたか」だけを見れば足ります。動いたなら付ける。
二つめは、自分が書いていない場所です。コメント欄や投稿フォームがあるなら、そこは自分の管理が届かない領域なので、システム側で一括して付ける設計にしておくのが安全です。
三つめが、いちばん判断が要るところです。信用していないのにリンクする、という場面は日常的には多くありません。批判対象を示すとき、注意喚起のために悪い例を挙げるとき。そのくらいです。
そして4行目。外部リンクの rel 属性を説明したページは、通常のリンクの例として「属性を追加する必要がありません」と書き、馬の品種の説明ページへ普通にリンクした一行を挙げています。ここが既定値です。
実際に1記事で棚卸ししてみる
表だけ見ても手は動きません。手元の記事を1本、実際に通してみます。
たとえば「請求書の電子保存」について書いた自社記事があり、外部リンクが4本入っているとします。国税庁の制度ページ、会計ソフト会社の解説記事、比較サイトのランキング記事、そして読者がコメント欄に貼った参考記事。当時の運用で、4本すべてに nofollow が付いていました。
質問を上から当てます。
国税庁の制度ページは、お金を受け取っていない、自分が入れた、信用している。3つとも「いいえ」なので属性なしです。会計ソフト会社の解説記事も、広告出稿の取り決めがないなら同じく属性なし。
比較サイトのランキング記事は止まります。ここに紹介料の取り決めがあるなら、質問1で「はい」です。sponsored を付けます。取り決めがないなら、次に「その比較の中身を信用しているか」を見る。信用していないなら質問3で nofollow、信用しているなら属性なしです。
コメント欄の1本は質問2で「はい」。ugc になります。
結果、4本のうち属性を残すのは1〜2本でした。残りの2〜3本は、外していい nofollow だったことになります。この記事1本にかかった時間は数分です。同じ判断を、外部リンクの多い記事から順に当てていきます。
nofollow を付けると何が起きて、何が起きないか
外す判断をする前に、この属性が実際に何をするのかを確認しておきます。
rel 属性のページには、「属性でマークアップされたリンクがたどられることはありません」と書かれています。ただし直後に続きがあります。リンクされているページは、サイトマップや他のサイトからのリンクなど、他の方法で発見されることがあるため、依然としてクロールされる可能性がある、と。
つまり、リンクを「たどらせない」ことと、相手のページを「見つけさせない」ことは別です。
自分のサイト内のページについても同じ区別が書かれています。Google にフェッチさせたくないなら robots.txt の disallow ルール、インデックスに登録させたくないならクロールを許可したうえで noindex ルール。ここに rel 属性は出てきません。役割が違うからです。
だから、社内の管理画面やログインページへのリンクに nofollow を付けても、それはクロールやインデックスの制御にはなりません。制御したいなら、リンク側ではなくページ側で設定します。
「売買はダメ」と「広告は普通の経済活動」の線引き
もう一つ、外部リンクを怖がらせている材料があります。リンクスパムです。
スパムに関するポリシーは、リンクスパムを「検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為」と定義しています。例として、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買が挙げられ、リンク自体やリンクを含む投稿に関して金銭をやり取りする行為が該当します。
ここだけ読むと、お金が絡んだ瞬間に違反に見えます。同じページには続きがあります。
「Google は、リンクの売買も、広告やスポンサー活動を目的として行われる限り、ウェブ上での通常の経済活動の一環だということを理解しています。こうしたリンクは、rel="nofollow" 属性や rel="sponsored" 属性を <a> タグに設定している限り、Google ポリシーに対する違反にはなりません」
分かれ目は、お金の有無ではありません。目的が検索ランキングの操作かどうか、そして属性で申告しているかどうかです。広告として出稿し、sponsored を付ける。この形なら、公式の文面上は通常の経済活動の側に置かれています。
逆に言えば、申告せずに済ませたリンクだけが宙に浮きます。表の質問1を最初に置いたのは、そのためです。
リンクの置き方で損をしないために
属性の判断が終わったら、次はリンクそのものの書き方です。ベストプラクティスのページには、実務的な注意が並んでいます。
まず、そもそもクロールできる形かどうか。「通常、リンクが href 属性を持つ <a> HTML 要素である場合のみ、Google はリンクをクロールできます」とあり、その他のフォーマットのリンクのほとんどは解析されず、クローラーにより抽出されない、と続きます。href のない <a> 要素や、スクリプトのイベントでリンクとして機能するタグは、この「その他」に入ります。
次に、リンクのテキストです。可能な限り自然に記述し、リンク先のページに関連したキーワードを詰め込むことは避けるように書かれています。キーワードの乱用はスパムに関するポリシー違反にあたる、という注意も添えられています。判定の目安も公式が示しています。「アンカー テキストにキーワードを詰め込んでいると感じるなら、実際にそうである可能性が高い」。自分の感覚を疑わなくていい、ということです。
そして配置。リンクの前後にある文が重要になるので、全体としての文章に注意を払うこと。リンクのすぐ隣にリンクを配置しないこと。読者がリンク同士を識別しにくくなり、それぞれのリンクの前後のテキストが失われるためです。
参考リンクを記事末尾にまとめて10本並べる形は、この注意にまっすぐ反します。文脈が付かないからです。
公開前の点検リスト
最後に、記事を出す前に通す順番をまとめます。1本あたり数分で終わります。
- 記事内の外部リンクをすべて洗い出す。ブラウザで記事を開き、リンク部分を目視で拾うだけで足ります。
- 各リンクに、上の3つの質問を上から当てる。「はい」で止まった行の属性を採用し、全部「いいえ」なら属性なしにする。
- 一律で付いている
nofollowを、2の結果と突き合わせて外す。残すのは、質問1〜3のいずれかで「はい」になったものだけです。 - リンクが
<a href="...">の形になっているか、ソースを表示して確認する。ボタンやスクリプトで遷移させている箇所があれば、リンクとして機能させたいものかを判断する。 - リンクのテキストを読み直す。リンク先の内容が分かる自然な文言か、キーワードを重ねていないかを見る。
- リンクが隣り合って並んでいないか確認する。並んでいたら、間に説明の文を入れるか、片方を別の段落へ移す。
- リンク先が今も生きているか開いて確かめる。移転や削除で行き先が変わっていることがあります。
7番だけは、公開前ではなく定期的な作業として回したほうが現実的です。公開時点で生きていたリンクが、半年後も生きているとは限らないためです。リンク切れそのものを公式が問題として挙げているわけではありませんが、リンク先が信用できるものか確認する、という条件を満たし続けるには、貼った後の確認が要ります。
迷ったときに戻る場所
外部リンクの判断は、ほとんどの場合で「属性なし」に着地します。お金が絡まず、自分が入れ、信用している相手へのリンク。日々書いている記事のリンクは、たいていこの形です。
例外だけを覚えておけば足ります。お金が動いたら sponsored。読者が入れたら ugc。信用していないなら nofollow。
なお、広告・アフィリエイトの取り扱いは判断が細かく分かれます。そちらはアフィリエイトリンクのrel属性(sponsored / nofollow)の使い分けで個別に整理しています。リンクのテキストの書き方をもう少し詰めたい場合はアンカーテキストの書き方も合わせてご覧ください。
出典
