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コアアップデートで順位が動かなかったときの点検手順

Wemiro編集部読了目安 10分
コアアップデート検索順位Search Console

コアアップデートの展開が終わった。主力ページの順位を見ても、ほとんど動いていない。これで安心していいのか。

先に答えを書きます。順位が動かなかっただけで、慌てる必要はありません。 Googleは「ほとんどのサイトではコア アップデートについて気にかける必要はなく、アップデートが行われたことに気づかない場合もあります」と書いています。

ただし、順位が同じでもクリック数が同じとは限りません。だから展開後に一度だけ、表示回数・クリック数・クリック率をそろった期間で比べます。結果が無事なら何もしない。崩れていれば、直す場所は順位ではなく検索結果での見え方です。

「無風」はたいてい正常

コアアップデートは、Googleによれば「広範囲にわたるもので、特定のサイトや個々のウェブページを対象とするものではありません」。特定のサイトを狙った変更ではない以上、順位が動かなかったことを特別な意味に読みすぎないほうがよいでしょう。

もう一つ、無風を「変える必要がない」というサインとして読むこともできます。Googleは、小さな下落(2位から4位など)でさえ「抜本的な対策を講じる必要はありません」とし、すでに成果の出ているコンテンツには手を加えないことを勧めています。動かなかったなら、なおさら大がかりな修正は要りません。

では、なぜ点検が必要なのか。理由は、順位という数字が「見えていないもの」を含んでいるからです。

順位だけでは見落とすもの

平均掲載順位は、多くのクエリをならした数字

Search Consoleの平均掲載順位は、ヘルプの説明では「ページへのリンクに付与される 最上位 の掲載順位であり、そのプロパティが表示される すべてのクエリでの平均」です。同じヘルプは、この値が「誤解を招くおそれがあります」とも書いています。

平均ですから、ある検索語句で順位が下がり、別の語句で上がると、全体の数字はほとんど変わらないことがあります。サイト全体の平均だけを見て「無風」と結論づけるのは早い、ということです。

表示回数が同じでも、クリックは減ることがある

Googleのトラフィック減少のガイドには、次の一文があります。「インプレッションは変わらないのにクリック数が減少した場合は、最適な ページのタイトル と スニペット が生成されておらずユーザーがページのコンテンツを理解できていないか、他のサイトがより魅力的な リッチリザルト を使用している可能性があります」。

つまり、順位も表示回数も同じなのに、クリックだけが落ちる場面がある。原因の候補は、自分の見せ方か、周りの見せ方の変化です。

Google自身は、順位より表示回数とクリック数を重く見ている

同じガイドは「一般に掲載順位の絶対値については、それほど重要視する必要はありません。最終的にサイト成功の指標となるのは、インプレッションとクリック数です」と書いています。順位チェックで変化がなかったとしても、点検の主役は表示回数とクリック数のほうです。

展開後の点検5ステップ

手順は次のとおりです。順番に意味があるので、上から進めてください。

  1. 展開の開始日と終了日をメモする。Googleは検索ステータス ダッシュボードで開始日と終了日を確認し、展開完了から1週間以上たってから分析するよう勧めています。展開中の日々の上下は見ないでおきます。
  2. 比べる期間をそろえる。Googleの勧めは「ロールアウト開始 前の 1 週間と現在の週を比較」です。Search Consoleの検索パフォーマンスで、日付フィルタの「比較」を使います。曜日の並びがそろうので、平日と週末の差に惑わされません。
  3. クエリとページのタブで、クリック数の差を並べる。サイト全体の平均ではなく、主要な検索語句とページごとに見ます。ガイドにある「クリック数の違い」で並べると、減った順に上から確認できます。
  4. 「検索での見え方」と検索タイプのタブも見る。ガイドは、変化が「特定のクエリ、URL、国、デバイス、検索での見え方のいずれかでのみ発生しているのか」をタブで確かめるよう書いています。画像検索やニュースのタブだけで減っている、という形もありえます。
  5. クリックが落ちた語句を、実際に検索してみる。自分のページの上に何が並んでいるか、タイトルと説明文がどう表示されているかを目で確かめます。ここで初めて、原因の仮説が立ちます。

ステップ1と2を飛ばすと、展開途中の揺れを「影響」と取り違えます。ステップ5を飛ばすと、数字の変化に理由がつきません。どちらも省かないでください。

結果を3つに分ける判定表

5ステップを終えたら、主要な語句ごとに次の表へ当てはめます。順位はほぼ同じ、という前提の表です。

表示回数クリック数読み方次にやること
変わらない変わらない本当に無風何もしない。予定していた改善を続ける
変わらない減った見え方の問題の可能性実際の検索結果を見て、タイトル・説明文と周りの表示を確かめる
減った減った(クリック率は同じ)検索される回数そのものが減った可能性Google トレンドで、自社だけの減少か、世の中全体の減少かを確かめる

一つめの行に入ったなら、点検は終わりです。ここで「せっかくだから」と大きく書き換えるのは、すでに成果の出ているコンテンツには手を加えない、というGoogleの勧めに反します。

二つめの行は、さきほどのガイドの一文がそのまま当てはまる場面です。タイトルや説明文が内容を伝えきれていないか、他のサイトの表示がより目を引くようになったか。どちらなのかは、ステップ5で実際の画面を見ないと決まりません。

三つめの行は、サイトの評価ではなく需要の変化を疑います。ガイドは、クエリを1つずつ絞って減少を見つけ、Google トレンドで「自分のウェブサイトに関してだけなのか、すべてのウェブサイトに共通して起こっていることなのか」を確かめる手順を示しています。季節で毎年下がる語句なら、過去16か月の表示に切り替えると前年の同じ時期の動きも見えます。

例: 業務ツールの比較記事で通してみる

架空の例で一度通します。業務効率化ツールを販売する会社の担当者が、自社ブログの比較記事「業務効率化ツールの選び方」を点検する場面です。数字はすべて説明用の作りものです。

展開完了から1週間待ち、開始前の1週間と直近の1週間を比べました。サイト全体の平均掲載順位は4.3位から4.2位。ここだけ見れば完全な無風です。

ところがクエリのタブで「クリック数の違い」を並べると、上位に気になる語句が出ました。

検索語句平均掲載順位表示回数クリック数クリック率
業務効率化 ツール 選び方4.1 → 4.22,400 → 2,380204 → 1158.5% → 4.8%
業務効率化 ツール 無料6.0 → 5.8900 → 65045 → 335.0% → 5.1%
業務効率化 とは9.5 → 9.41,100 → 1,12022 → 232.0% → 2.1%

1行めは、判定表の二つめの行です。順位も表示回数もほぼ同じなのに、クリックだけが4割ほど減っています。実際に検索すると、自社ページより上に、他社の比較ページが目を引く表示で並んでいました。自社のタイトルは「選び方」とだけあり、何を比べた記事なのかが伝わりにくい。そこで、比べた観点がわかるタイトルと説明文に書き直す、という仮説を立てます。

2行めは三つめの行です。表示回数が減り、クリック率は変わっていません。Google トレンドで同じ語句を見ると、前年の同じ時期にも下がっていました。これは季節の波と読み、記事には手を入れません。

3行めは一つめの行で、何もしません。

全体の平均が4.3位から4.2位だったのは、こうした上下が打ち消し合っていたからです。平均だけで「無風」と判断していたら、1行めは見落としていました。

なお、1行めの書き直しが効いたかどうかは、検索結果の顔ぶれや需要の変化にも左右されます。数週間後に同じ比較をしても、改善を書き直しだけの成果と言い切らず、あくまで仮説の確認として扱ってください。

よくある誤解

「無風だったのだから、何か足りないはずだ」。動かなかったことを「評価されていない」と読む人がいます。しかしコアアップデートは特定のサイトを狙うものではなく、Googleはアップデートに気づかない場合もあると書いています。無風だけを根拠に、何かが足りないと決めつける必要はありません。

「順位チェックツールで変化がなければ十分」。ツールの順位は、決まった語句を決まった条件で調べた結果であることが多く、Search Consoleの平均掲載順位とも意味が違います。しかもヘルプによれば、AIによる概要の中のリンクには、すべて同じ掲載順位が割り当てられます。順位という数字だけでは、検索結果の画面で自分のページがどう見えているかまではわかりません。

「数字が急に落ちたら、まずアップデートを疑う」。ガイドは、Search Consoleの「データ異常ページ」も確認するよう勧めています。減少が「データ処理の変更やロギングエラーに関連している可能性もあります」。比べる前に、該当する期間に記録上の不具合が出ていないかを一度見ておくと、取り違えを防げます。

無風だった週にやること

最後に、点検の抜けを防ぐ自己点検の表です。上から順に「はい」が並べば、そのアップデートについての作業は終わりです。

確認することはいいいえ
展開完了から1週間たってから比べたか次へ1週間待ってから比べ直す
開始前の1週間と直近の1週間で比べたか次へ期間をそろえて比べ直す
サイト平均ではなく、語句とページごとに見たか次へクエリとページのタブで並べ直す
データ異常ページで、該当期間の不具合がないと確かめたか次へ先に確認する
クリックが落ちた語句を実際に検索して見たか判定表へ実際の画面を見る

点検が終わったら、無風の期間はむしろ落ち着いて計画どおりの改善を進められる時間です。Googleは、発表されない小さなコアアップデートも常に行っていて、それも改善した内容が順位に反映されるもう1つの機会だと書いています。大きなアップデートを待つ必要はありません。

順位が大きく下がった場合の判断はコアアップデートで順位が下がったら|直すか待つかの判断手順に、アップデートと関係なくクリックが減ったときの切り分けはSearch Consoleのクリック数が減った時に確認する5つのチェックポイントにまとめています。判定表の二つめの行に当たったときは、クリックされるタイトルと説明文の作り方も参考にしてください。

出典

  1. Google 検索のコア アップデートとウェブサイト(Google 検索セントラル)
  2. Google 検索トラフィックの減少をデバッグする(Google 検索セントラル)
  3. 表示回数、掲載順位、クリック数とは(Search Console ヘルプ)

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