商品レビュー記事のSEO|Google公式ガイドラインで見直す書き方
商品レビューの記事を書いた。写真も載せた。なのに検索からの流入が増えない。——この状態で一番多い原因は、記事が「メーカーの仕様をきれいに並べ直しただけ」になっていることです。Google は、レビューについて公式に「書き方」のページを公開しています。公式は、重視すべきは長さではなく質と独自性だと書いています。その列挙のうち、自社記事で特に抜けやすいのが自分で使った証拠、長所と短所の両方、競合との違いの3つです。
先に結論を置きます。自社サイトのレビュー記事を1本選び、この3点が入っているかを確認してください。入っていなければ、それを加筆するのが最初の一手です。評価の回復には時間がかかる場合がありますが、書き足すべき中身ははっきりしています。
Googleが公式に「良いレビュー」と呼んでいるもの
Google 検索セントラルの「レビューの書き方」は、おすすめの方法を具体的に列挙しています。要点を、公式の表現に沿って整理します。
| 公式が挙げる方法 | 自社記事での確認ポイント |
|---|---|
| ユーザーの目線で評価する | 「買う人が知りたいこと」から書き始めているか。仕様表から始めていないか |
| 商品についての知識・専門性を示す | なぜ自分がこの商品を評価できるのか、一言でも説明があるか |
| 画像・音声・体験談へのリンクなどで信頼性を裏付ける | 自分で撮った写真、実際に使った場面の記述があるか |
| 求められる性能がどの程度かを定量的に示す | 「速い」「軽い」を、測った数字で言えているか |
| 競合商品との差別化要因を説明する | 「似た商品と何が違うか」が1段落以上あるか |
| 比較対象も扱う/特定の用途に最適なものを示す | 「こういう人には別の商品」が書けているか |
| 独自の調査に基づいてメリット・デメリットを述べる | 短所が1つも書かれていない記事になっていないか |
| 複数の販売者へのリンクを記載することを検討する | 1店舗だけに誘導していないか |
表の右側が、あなたの記事の点検項目です。一つめと二つめは、仕様表から書き始めた記事がまとめて落とします。読者が最初に知りたいのは「結局、自分に合うのか」であって、重さが何グラムかではありません。
公式ページは最後にこう締めています。レビューを書く際には「長さではなく質と独自性」を重視する、と。つまり、長い記事を書けという話ではありません。自分にしか書けない中身があるか、という話です。
レビューシステムは何を評価しているか
Google には「レビュー システム」という仕組みがあり、公式ページでその狙いが説明されています。膨大な商品やサービスをまとめただけの内容の薄いコンテンツではなく、徹底した調査内容を共有するレビューが目にとまるようにする、というものです。
ここで押さえておきたい点が3つあります。
まず、対象は「自分で書いたレビュー」です。公式は、アドバイスや見解、分析を提供するために書かれた記事やブログ投稿など、当事者による独立したコンテンツを評価すると書いています。一方で、商品ページのレビュー欄にユーザーが投稿したような第三者からのレビューは評価対象ではないと明記されています。自社の商品紹介記事は、前者にあたります。
次に、形式は問われません。一つの商品についての記事でも、商品を突き合わせた比較でも、おすすめ品のランキング一覧でも、レビューコンテンツにあたります。トピックも、ノートパソコンや冬用ジャケットのような商品から、映画やゲーム、レストランまで幅広いと書かれています。
最後に、評価の単位です。レビューシステムは主にページ単位でレビューコンテンツを評価しています。ただし、サイト内に大量のレビューコンテンツがある場合は、サイト内のすべてのコンテンツが評価されることもある、とされています。レビューがあまり多くなければ、サイト全体の評価が行われる可能性は低い。これも公式の記述です。
つまり、レビュー記事が数本しかないサイトなら、まず1本ずつページ単位で直せばよい。レビューが主力のサイトなら、薄い記事を量産していること自体がサイト全体の評価に響く可能性があります。
3つの条件を満たすチェックシート
公式の列挙を、実務で使いやすいように3つの条件に束ねます。各条件に「証拠になるもの」と「よくある不足」を添えました。
| 条件 | 証拠になるもの | よくある不足 |
|---|---|---|
| 1. 実ユーザーとしての証拠 | 自分で撮った写真、使った場面の具体的な記述、測った数値 | メーカー提供の画像だけ。「使ってみた」の一文だけで中身がない |
| 2. 長所と短所の両論併記 | 独自の調査に基づくメリットとデメリット。「合わない人」の明示 | 短所がゼロ。あっても「強いて言えば価格」で終わる |
| 3. 競合との比較 | 差別化要因の説明。比較対象の商品名と、どちらがどの用途に向くか | 競合の名前が出てこない。比較表がスペックの転記だけ |
この3つは互いに支え合っています。自分で使っていなければ、本当の短所は書けません。短所が書けなければ、競合とどちらを選ぶべきかも言えません。条件1が崩れると、2と3も空洞になります。
逆に言えば、条件1を一つ固めるだけで記事の骨格が変わります。後述のワークスルーで確かめます。
1本を書き直す5ステップ
既存のレビュー記事を1本選んで、次の順で直します。新規に書く場合も同じ手順です。
- 記事を開き、3条件の有無を書き出す。上のチェックシートを横に置き、「証拠になるもの」の列に該当する箇所を本文から抜き出します。抜き出せない条件が、加筆の対象です。
- 「誰に向くか」を先頭に置く。公式が「ユーザーの目線で評価」「特定の用途や状況に最適であるものを説明」と書いている部分です。冒頭を「この商品は〇〇な人向け。△△な人は別の選択肢を」に書き換えます。
- 測れるものを1つ測り、写真を1枚差し替える。全機能を検証する必要はありません。買う人の判断を分ける性能(例: 重さ、起動までの秒数、連続使用時間)を1つ選び、自分の環境での数値と、撮影した写真を載せます。これが条件1の証拠になります。
- 短所と比較対象を1段落ずつ足す。短所は「自分の用途で困ったこと」を具体的に。比較対象は、読者が同時に検討しそうな商品を1つ挙げ、どちらがどの用途に向くかを書きます。おすすめを一つに絞るなら、公式の言うとおり「そう考える理由と、その裏付けとなる自分自身の体験」を添えます。
- 販売リンクを整える。複数の販売者へのリンクを検討し、アフィリエイトなど有料のリンクには
rel="sponsored"を付けます。公式は、広告や有料プレースメントのリンク(有料リンク)を sponsored でマークアップするよう案内しています。
手順3でつまずく人が多いです。「測定機器がない」「全部は検証できない」と手が止まる。ですが、求められているのは網羅ではありません。読者の判断を分ける1点に絞って、自分の数字を出せば十分に意味があります。
ワークスルー: ノイズキャンセリングヘッドホンの記事を直す
架空の例で、5ステップを一度通します。自社ブログに「ノイズキャンセリングヘッドホン A の紹介」という記事があり、メーカーの仕様表と公式画像、最後にショップリンクが1つ、という構成だとします。
ステップ1で書き出すと、条件1〜3のすべてが空欄になります。「使ってみた」の一文はあるものの、証拠になるものがありません。
ステップ2では、冒頭を差し替えます。「通勤電車で音楽を聴く人向け。カフェでの通話が多い人には、マイク性能の高い B の方が向きます」。この2文だけで、読者は自分が対象かどうかを判断できます。
ステップ3では、測るものを1つ決めます。ノイズキャンセリングの強さそのものは家庭では測りにくい。代わりに「満充電からノイズキャンセリングを入れっぱなしで、音楽が止まるまでの時間」を測ります。自分の環境で何時間何分だったかを書き、装着した状態の写真を1枚撮って差し替えます。メーカーの公称値との差があれば、それ自体が独自の情報になります。
ステップ4では、短所を一つ具体的に書きます。「折りたたむとケースが鞄の中で場所を取る」のように、使ったからこそ気づくことです。比較対象として B を挙げ、「ノイズを消す強さなら A、通話の聞き取りやすさなら B」と用途で分けます。
ステップ5では、ショップリンクを2店舗以上にし、それぞれに rel="sponsored" を付けます。公式は複数の販売者へのリンクを検討するよう勧めており、リンクの扱いは先の公式の案内どおりです。店舗ごとに配送の速さやポイント付与などの違いを一言添えると、読者が選びやすくなる場合があります。
直し終えた記事は、仕様表が消えたわけではありません。ただ、仕様表が主役ではなくなっています。主役は「自分で使って測った数字」と「誰に向くかの判断」です。これが、公式が言う「質と独自性」の正体です。
よくある誤解: 「日本語のサイトには関係ない」
レビューシステムの公式ページには、適用される言語が列挙されています。英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベトナム語、インドネシア語、ロシア語、オランダ語、ポルトガル語、ポーランド語。この一覧に、日本語は含まれていません(公式ページの記載時点)。
ここから「日本語のレビュー記事はガイドラインを気にしなくていい」と考えるのは早計です。理由は2つあります。
一つは、レビューシステムは「定期的に継続して改善されている」と公式に書かれていることです。対象言語が今後も固定されている保証はありません。
もう一つは、「レビューの書き方」のページ自体は、レビューシステムとは別に、Google 検索などでレビューページに目をとめてもらうための方法として書かれていることです。実体験の証拠、長所と短所、競合比較は、システムの適用言語にかかわらず、読者が購入を決めるために必要な情報です。
順位が変わらない場合の受け止め方にも注意が要ります。公式は、コンテンツを改善してもレビューシステムによる評価が回復するまで時間がかかる場合があるとしています。さらに、レビューコンテンツの自動評価は、ランキングに使われる多くの要因の一つにすぎないとも書かれています。加筆して1週間で順位が動かなくても、それだけで「効かなかった」と判断するのは早すぎます。順位には他の要因も絡むため、加筆の効果は時間をおいて見る仮説として扱うのが無難です。
自己点検: 直す前に確認する5項目
加筆にかかる前に、次の5つで記事の現状を確かめてください。「いいえ」が2つ以上なら、ステップ1から順に直す価値があります。
| 確認項目 | はい/いいえ |
|---|---|
| 自分で撮った写真、または自分で測った数値が1つ以上ある | |
| 短所が、具体的な使用場面とともに書かれている | |
| 比較対象の商品名が出てきて、用途で使い分けが示されている | |
| 冒頭で「誰に向くか・向かないか」が分かる | |
有料リンクに rel="sponsored" が付いている |
最初の項目は、レビュー記事の土台です。ここが「いいえ」なら、残りをいくら整えても薄い記事のままです。
レビュー記事の信頼性は、書き手の経験をどう見せるかという問題でもあります。中小サイトのE-E-A-T改善|経験と一次情報で見直す手順では、有名な専門家の監修がなくても経験と一次情報で信頼性を高める手順を扱っています。販売リンクの属性については、広告リンクのrel属性、sponsoredとnofollowの使い分けで、既存リンクを棚卸しして一括で直す手順をまとめています。
出典
