相互リンクの依頼は受けていい?スパム判定の境界線と返答の決め方
問い合わせフォームを開けておくと、商品の相談より先に「相互リンクしませんか」が届く。断るのも気が引けるし、被リンク(他のサイトから自社サイトへ張られたリンク)が増えるなら悪くない気もする。そこで迷っている方に、先に答えを書きます。
断る提案の見分け方は一つです。「順位のためにリンクを置き合う」約束が含まれていれば断る。これは Google のスパムポリシーが「リンクスパム」として名指ししているパターンで、受けた側の自社サイトにも手動による対策(Google の担当者がガイドライン違反と判断して下す措置)が付くことがあります。
逆に、純粋な紹介や広告としてなら受けられます。ただし、その場合はリンクに rel 属性を付けて「順位操作のためではない」と Google に伝える必要があります。どこが境界線で、受けるならどう設定するのか。順を追って決めていきます。
Google が「リンクスパム」と呼ぶ8つのパターン
まず、何が違反なのかを公式ポリシーの言葉で押さえます。Google のスパムポリシーは、リンクスパムを「検索順位を操作することを主な目的として、サイトへの/サイトからのリンクを作ること」と定義しています。ポリシーが挙げる例のうち、営業メールに現れやすい8つを抜き出します。
| # | 公式ポリシーが挙げる例 | 営業メールでの現れ方 |
|---|---|---|
| 1 | リンクやリンクを含む投稿と引き換えの金銭 | 「1本○円で貴サイトに記事を掲載させてほしい」 |
| 2 | リンクと引き換えの物品・サービス | 「ツールを無償提供するのでレビュー記事でリンクを」 |
| 3 | 商品を送って記事とリンクを書かせる | 「サンプルをお送りするので紹介記事に URL を」 |
| 4 | 過度な相互リンク・相互リンク専用のパートナーページ | 「リンク集ページで相互に掲載しましょう」 |
| 5 | 自動プログラムやサービスによるリンク生成 | 「月○本の被リンクを自動で獲得できます」 |
| 6 | 利用規約や契約でリンクを強制し、属性付与の選択肢を与えない | 「掲載条件として当社リンクを必須とします」 |
| 7 | 低品質なディレクトリ・ブックマークサイトへのリンク | 「登録無料のディレクトリに相互掲載を」 |
| 8 | 複数サイトのフッターやテンプレートに広く配布されたリンク | 「全ページのフッターにお互いのリンクを」 |
表の右列は、左列の公式例を営業メールの文面に置き換えたものです。4 番と 8 番が、問い合わせフォームに届く相互リンク依頼の大半を占めます。
一つ注意があります。公式ポリシーは、広告やスポンサーシップとしてリンクを売買すること自体は「ウェブ経済の通常の一部」だと認めています。違反にならない条件は、そのリンクに rel="nofollow" か rel="sponsored" が付いていることです。つまり「金銭が絡んだら即アウト」ではありません。順位操作の目的で、属性なしに置くことが問題です。
5ステップで仕分けるワークスルー
架空の依頼メールを1通、通してみます。
依頼文はこうです。「弊社は中小企業向けの業務ソフトを販売しています。貴サイトの記事『請求書の電子化』と相性が良いので、相互リンクをご提案します。弊社のパートナー紹介ページに貴サイトを掲載しますので、貴記事の本文内に『業務ソフト おすすめ』のアンカーテキストで弊社トップページへのリンクをお願いします。」
この文面を、次の順で見ます。
- 相手サイトの関連性と品質を見る。 リンク先を実際に開き、自社の読者が役立つと感じるページかを確かめます。この例では業務ソフトの販売サイトで、請求書の電子化という記事テーマとの関連はあります。ここで「読者に紹介する価値がない」なら、以降を見るまでもなく断ります。
- 見返りの有無を判定する。 「貴サイトを掲載しますので」と書かれています。リンクと引き換えにリンクを置く約束で、これは表の 4 番です。見返りが金銭や物品なら 1〜3 番に当たります。
- 置き方の指定を見る。 「業務ソフト おすすめ」というアンカーテキスト(リンクが張られた文字列)の指定と、トップページという飛び先の指定があります。読者への紹介なら、相手がリンク文言まで指定する理由はありません。順位を狙った指定と考えるのが自然です。
- 掲載可否を決める。 2 と 3 の両方に該当したので、この依頼は断ります。片方だけでも、相互掲載の約束が入った時点で 4 番に触れるので断ります。
- 受ける場合は属性を決める。 仮に「広告として有料で掲載したい」という申し出に形を変えてきたなら、受けたうえで
rel="sponsored"を付けます。実装後に公開ページの HTML を開き、<a>タグに属性が残っているかを確認します。
この5ステップを紙に書いて問い合わせ対応の担当者に渡しておくと、担当者ごとに返答がぶれなくなります。判定が「断る」になった依頼には、理由を添えず定型で断って問題ありません。
受ける場合の rel 属性の決め方
断らない依頼は、広告として受けるか、純粋な紹介として受けるかの二択になります。どちらかで属性が変わります。
| 受け方 | 付ける属性 | 根拠 |
|---|---|---|
| 広告・有料掲載・提供品のレビュー | rel="sponsored" | 広告や有料掲載のリンクには sponsored を付けるよう公式が指定 |
| 紹介はするが、自社とは関連づけたくない | rel="nofollow" | 他の値が当てはまらず、関連づけやクロールを望まない場合の値 |
| 読者のために自発的に紹介する | 属性なし | 通常のリンク。属性を付ける必要はない |
一つめの行が、提供品を受け取ってレビューを書くケースです。ワークスルーの3番で相手が「サンプルを送るので記事にリンクを」と言ってきたなら、受けるならこの行です。二つめは、相手のページ自体は紹介に値するが、営業色が強く自社の推薦として扱われたくないときに使います。三つめは、そもそも依頼と関係なく自社の判断で貼るリンクで、依頼メール経由の掲載がここに入ることはまずありません。
属性を付けたリンクは、公式ドキュメントによれば「一般にたどられない」扱いになります。ただし、リンク先がサイトマップや他サイト経由で見つかってクロールされることはあり得る、とも書かれています。属性は「このリンクは推薦ではない」と伝える手段であって、相手ページを検索結果から消す手段ではありません。
よくある誤解:「もらう側だから安全」
相互リンクを断りにくい理由の一つに、「自分は被リンクをもらう側だから、問題が起きるのは相手だろう」という感覚があります。これは誤解です。
手動による対策レポートには、「サイトへの不自然なリンク」と「サイトからの不自然なリンク」の両方が項目として存在します。前者は自社に向いたリンクの作為的なパターン、後者は自社から出ているリンクの作為的なパターンが検出されたときのものです。相互リンクは、自社から相手へのリンクも置くので、後者の対象になり得ます。
「サイトからの不自然なリンク」が付いたときに公式が示す直し方は、過度なリンク交換などに該当するリンクを見つけて、削除するか、rel="nofollow" などを付けて評価を渡さない形に変える、というものです。直したあとに再審査をリクエストします。つまり、受けてしまった相互リンクは後から属性を付ければ直せます。ただ、最初から受けなければその作業は要りません。
もう一つの誤解は「相手側に勝手にリンクを置かれた。否認ツールで消さないと」というものです。否認ツールの公式ヘルプには、ほとんどの場合 Google は追加の指示なしにどのリンクを信頼するか判断できるので、大半のサイトはこのツールを使う必要がない、と書かれています。使い方を誤ると自社の検索結果に悪影響が出る可能性がある、とも明記されています。依頼を断った相手が一方的にリンクを張ってきたとしても、それだけで否認を考える必要はありません。否認が要る条件は、怪しい被リンクは否認すべき?確認方法と判断基準にまとめています。
返答前の自己点検表
届いた依頼を、返答を書く前に次の表に当てはめてください。
| 問い | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 相手の文面に「こちらも貴サイトへリンクします」の約束があるか | 断る(表の 4 番) | 次へ |
| 金銭・物品・サービス・提供品が絡むか | 広告として受けるなら sponsored 必須 | 次へ |
| アンカーテキストや飛び先の指定があるか | 順位狙いの可能性が高い。原則断る | 次へ |
| 自社の読者に紹介する価値があるか | 受ける候補 | 断る |
掲載後、公開 HTML で rel 属性を確認したか | 完了 | 確認してから返答を終える |
5つの問いのうち、1つめで「はい」になった時点で結論は出ます。判断に時間がかかるのは4つめで、ここは記事担当者が読者目線で決める部分です。迷ったら「この会社の名前を自社ブログで推薦として出してよいか」と言い換えると決めやすくなります。
受けた相互リンクが残っていないか棚卸しする
すでに受けてしまった相互リンクがあるなら、依頼への返答より先にそちらを直します。手順は3つです。
- Search Console の手動による対策レポートを開く。 対策が何も付いていなければ緑のチェックマークが表示されます。付いていれば、その項目名を確認します。
- 自社から外部への発リンクを一覧にする。 相互リンク専用のページ、フッターの「リンク集」、本文中の不自然なアンカーテキストを探します。
- 該当リンクを削除するか属性を付ける。 削除できないなら
rel="nofollow"かrel="sponsored"を付けて、公開 HTML で反映を確かめます。
発リンクの棚卸しそのものの進め方は、外部リンクを貼ると評価は逃げる?公式が示す判断軸が詳しいです。sponsored と nofollow のどちらを付けるかで迷ったら、広告リンクのrel属性、sponsoredとnofollowの使い分けを先に読んでください。
Wemiro を使っている場合は、自社サイトの被リンクの推移を日常的に確認できます。急に増えたリンクの発生元を見ておくと、断った相手が一方的にリンクを張ってきたときに早めに気づけます。
出典
