セーフサーチで自社サイトが表示されないときの切り分け手順
露骨な内容はないのに、セーフサーチをオンにすると出てこない
疑う場所は3つあります。順番も大事です。
1つめは、検索している側の設定です。2つめは、ページの中にある「露骨な内容へ誘導する部品」です。3つめは、サイトの中に露骨なページが混ざっていないかです。
いきなり「Google に誤判定された」と決めて報告の準備を始めると、手戻りが起きがちです。自分のパソコンの設定が原因なら、報告しても何も変わりません。
セーフサーチは、何を・どう判定しているのか
まず仕組みを押さえます。切り分けの手順は、ここから逆算しています。
Google のヘルプによると、セーフサーチには「フィルタ」「ぼかし」「オフ」の3つの設定があります。フィルタは露骨な表現を含む検索結果をすべてブロックし、Google のシステムがユーザーを18歳未満の可能性があると検出した場合の既定の設定です。ぼかしは露骨な表現を含む画像にぼかしを入れるもので、フィルタが適用されない場合の既定の設定です。ぼかしの状態でも、テキストやリンクは検索語句に関連すれば表示されることがあります。
判定の中身は、検索セントラルのガイドラインに書かれています。セーフサーチは、露出した乳房や性器を含む画像や動画があるページに加えて、露骨な表現を含むコンテンツが表示される、またはそこへ誘導するリンク・ポップアップ・広告も除外するよう設計されています。判定は Google の自動システムが行います。機械学習とさまざまなシグナルを使い、そのシグナルにはページ上やリンク内のテキスト、画像、動画も含まれます。
ここに見落としやすい点があります。
判定の材料は、自分で書いた本文や自分で撮った画像だけではありません。ページに貼られた外部の広告や、利用者が書き込んだリンクも対象に入ります。
もう1つは、サイト全体への波及です。ガイドラインは、露骨な表現を含むページとそうでないページを別の場所にまとめていないと、一部のページに露骨な内容がなくても、セーフサーチのフィルタがオンのときに事実上サイト全体が露骨な内容を載せていると判断され、除外される可能性があるとしています。
5ステップで原因を絞る
仕組みを踏まえると、確認は「見る側 → 見え方 → ページ → サイト全体」の順になります。
- 確認する環境を固定する。 セーフサーチ設定の右上に鍵アイコンが出ていないかを見ます。ヘルプによると、鍵アイコンは設定がロックされている印です。公共の Wi-Fi、家族向けの安全設定、ウイルス対策ソフトにセーフサーチが組み込まれている場合もあります。検索結果の URL に
safe=activeなどのパラメータが付いていないかも確認します。ヘルプには、このようなパラメータで設定を強制的に切り替えられると書かれています。社内ネットワークでフィルタが固定されていると、社内の誰が見ても「出てこない」状態になり得ます。 - 同じ検索を「オフ」と「フィルタ」で並べる。 設定を切り替えて、同じ語句で検索します。
site:自社ドメインに、対象ページにしかない商品名や見出しの語句を足すと、比べやすくなります。画像検索でも同じことをします。見るのは件数の数字ではなく、特定の URL が片方にだけ出るかです。 - 「消えた」のか「ぼやけた」のかを分ける。 ぼかし設定では、画像にぼかしが入ってもテキストやリンクは出ることがあります。画像だけがぼやけているなら画像側の問題、ページごと出ないならページ全体の問題として、次の確認先が変わります。
- 消えたページの「部品」を点検する。 本文と画像に加えて、広告枠、ポップアップ、外部へのリンク、コメント欄や口コミ欄を見ます。広告は配信のたびに中身が変わることがあるので、一度見て問題がなくても何度か読み込み直します。リンクは文字だけでなく、リンク先に何があるかまで確認します。
- サイト内に露骨なページがあるかを棚卸しする。 消えたのが特定ページだけならステップ4の範囲で片づくことが多いです。フィルタをオンにしたとたんサイトのほぼ全体が出なくなるなら、サイト内の混在を疑います。
5つを終えても露骨な要素が見つからず、誤って分類されていると考えられる段階で、公式の手順に進みます。ガイドラインは、サイトが誤ってフラグ付けされていないかを確認する手順と、問題を修正する方法をトラブルシューティング ガイドで案内しています。ヘルプの「セーフサーチに関する問題を解決する」にも、所有するサイトが誤って除外される理由の項目があり、サイトの最適化方法へ誘導しています。
例: ルームウェアも扱うアパレル EC で試す
架空の例で一度通してみます。
婦人服の EC サイトで、「ブランド名 ルームウェア」と検索したとき、セーフサーチをフィルタにすると一部の商品ページが出てこない、という状況です。
ステップ1では、担当者のパソコンに鍵アイコンは出ていませんでした。URL にも safe=active は付いていません。見る側の固定ではなさそうです。
ステップ2で、オフとフィルタを並べます。カテゴリの一覧ページはどちらでも出ます。一方、商品ページ12件のうち3件が、フィルタのときだけ出ません。画像検索でも、その3件の画像だけが出ません。
ステップ3は「消えた」側です。画像がぼやけたのではなく、ページごと出ていません。
ステップ4で、3件の共通点を探します。商品写真はほかの商品ページと同じ撮り方でした。違ったのは口コミ欄です。3件とも、外部サイトへのリンクを含む書き込みが残っていて、リンク先は成人向けのサイトでした。
ステップ5では、サイト内に露骨な内容を載せたページは見つかりませんでした。サイト全体ではなく、ページ単位の問題と見てよさそうです。
ここで立つのは「口コミ欄のリンクが除外の原因かもしれない」という仮説です。ガイドラインが、露骨な内容へ誘導するリンクも除外の対象としているので、筋は通ります。ただし、どの要素が決め手になったかを外から確かめる方法はありません。リンクを削除し、書き込みの承認ルールを見直したうえで、フィルタ設定での表示を定期的に見直す、という進め方になります。
状況別の判定表
さきほどの例でいえば、ステップ2の結果は表の3行目にあたります。
| 見えた状況 | まず疑う場所 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 鍵アイコンがある、または設定を変えられない | 検索している側のロック | 別のネットワーク・端末で再確認する |
| オフでもフィルタでも出ない | セーフサーチ以外(インデックス登録など) | インデックス登録の状況を確認する |
| フィルタのときだけ特定のページが出ない | そのページの広告・リンク・書き込み | ステップ4の部品点検 |
| フィルタのときサイトのほぼ全体が出ない | サイト内の露骨なページとの混在 | 露骨なページの分離を検討する |
| 画像はぼやけるが、リンクやテキストは出る | 画像そのものの判定 | 画像と、その周りの説明文を見直す |
2行目は、ここで扱う問題ではない可能性が高い行です。設定をオフにしても出ないなら、セーフサーチを疑う前に、ページがそもそも登録されているかを確かめたほうが早く片づきます。
5行目は例の EC サイトとは別の型です。ヘルプの説明どおり、ぼかしは画像に対する処理なので、ページの本文やリンクには手を入れる必要がないことがあります。
rating タグは、一般ページを守る「札」ではない
誤判定を解くために、一般のページに何かのタグを書き足そうと考える人がいます。これは向きが逆です。
ガイドラインが案内しているのは、露骨な内容の側に付けるラベルです。露骨な表現を含むページには、adult の値を指定したレーティング マークアップを、meta タグか HTTP レスポンス ヘッダーのどちらかで追加すること、また露骨な内容を含むすべてのページに付けることが推奨されています。meta タグで書くなら、次の形になります。
<meta name="rating" content="adult">
ガイドラインには RTA ラベルと呼ばれる別の値も載っていて、同等のシグナルとして認識され、どちらか一方があれば十分とされています。CMS で <head> を直接編集できない場合は、CMS の検索エンジン設定などを使う方法も案内されています。
では、サイトに露骨なページと一般のページが両方ある場合はどうするか。ガイドラインは、両方が大量にあるなら、露骨なページを別のドメインかサブドメインにまとめることを勧めています。ドメイン名に「explicit」などの語を入れる必要はなく、重要なのはグループ化して分けることだとされています。rating タグで露骨なページに印を付けることと、置き場所を分けること。この2つで、一般ページを巻き込まないようにする、という考え方です。
動画が多いサイトでは、全年齢向けと露骨な動画が混在するなら、動画サイトマップで <video:family_friendly> タグを使う方法も示されています。
よくある誤解: 医療や美術の内容なら除外されない?
半分は正しいです。
ガイドラインには、露骨な表現を含んでいても、教育・記録・科学・芸術としての価値が高いものは許可する方針だと書かれています。ただ、判定は機械学習を使う自動システムです。「医療サイトだから大丈夫」と決めつけず、同じ5ステップで確認するほうが安全です。
そのうえで整えておきたいのが、画像の周りの説明です。画像検索のベスト プラクティスによると、Google はキャプションやページタイトルなど、画像が載っているページのコンテンツから画像の情報を抽出し、ビジョン アルゴリズムとページのコンテンツを使って画像のテーマを理解します。手術の手順を示す図なら、図のすぐ近くに「何の手順の、どの段階か」を書いておく。これは画像の意味を伝える材料を増やす作業です。
一方で、周りの説明を足せばセーフサーチの判定が変わる、とまでは公式に結び付けられていません。期待はそこまでにとどめます。
もう1つの誤解が「オフにすれば全部出るはず」です。ガイドラインによると、セーフサーチがオフやぼかしでも、Google のランキング システムと言語認識システムが、露骨な内容が不本意に表示されるのを防いでいます。オフでも順位が低い場合は、セーフサーチの設定とは別の仕組みが働いている可能性があります。
その場で使う点検リスト
- 確認に使う端末とネットワークで、鍵アイコンが出ていないか
- 検索結果の URL に
safe=activeなどのパラメータが付いていないか - 「オフ」と「フィルタ」で、同じ語句の結果を URL 単位で比べたか
- 画像がぼやけただけか、ページごと出ないのかを分けたか
- 出ないページの広告枠・ポップアップ・外部リンク・書き込みを、リンク先まで確認したか
- サイト内に露骨な内容のページがあるか、あるならドメインやサブドメインで分けているか
- 露骨なページには
adultの rating タグを付けているか - 露骨な要素が見つからない場合に、公式のトラブルシューティング ガイドへ進んだか
出てこない原因がセーフサーチなのか登録そのものなのか迷ったら、site: 検索の件数の読み方とインデックス登録されないときの切り分けも合わせて確認してください。画像の周りの文章を直すときは、キャプションと周辺テキストを整える手順が使えます。
出典
