画像ファイル名の付け方——日本語は使っていいのか
IMG_1234.jpg。DSC00987.JPG。あるいは shouhin_01_final_rev2.png。自社サイトの画像フォルダを開くと、だいたいこういう名前が並んでいます。
先に結論です。これから追加する画像には、内容が伝わる短い名前をハイフン区切りで付ける。すでに公開している画像は、原則そのまま触らない。
ファイル名は、その画像が何を写しているかについての手がかりをGoogleに渡します。公式の画像検索ドキュメントは、可能なら短く説明的なファイル名を使うよう求めていて、my-new-black-kitten.jpg は IMG00023.JPG より良い、という例まで挙げています。逆に image1.jpg、pic.gif、1.jpg のような一般的な名前は、可能なら避けるとされています。
手がかり、という言葉の強さが、そのままこの作業の優先度です。
公式が書いているのは、たった5行
画像のファイル名について、Googleの一次情報から取り出せることは驚くほど少ないです。画像検索のドキュメントとURL構造のドキュメント、その2つを合わせても次の5行に収まります。
| 公式に書かれていること | 出どころ | 自社サイトでの読み替え |
|---|---|---|
可能なら短く説明的なファイル名を使う。my-new-black-kitten.jpg は IMG00023.JPG より良い | 画像検索のおすすめの方法 | カメラやスマホの連番のまま置かない |
image1.jpg、pic.gif、1.jpg のような一般的な名前は可能なら避ける | 同上 | 連番だけ・通し番号だけの名前も同類 |
| シンプルで説明的な単語を使う。できれば読み手の言語で | URL構造を維持する | 日本語話者向けサイトなら、日本語の語も選択肢に入る |
| 非ASCII文字にはUTF-8エンコーディングを使う | 同上 | 日本語名を使うなら、正しくエンコードされる前提が要る |
| 単語の区切りにはハイフンを使う | 同上 | navy-leather-wallet.jpg の形 |
三つめが、多くの日本語サイトの担当者が読み落としているところです。公式は「読み手の言語で」と書いています。日本語のページに日本語の単語を使うこと自体は、この推奨とぶつかりません。
そして最後の行にも注意が必要です。公式が明示しているのは、ハイフンで単語を区切ること。アンダースコアを名指しで禁じる記述は、今回参照した抜粋の範囲には出てきません。つまり navy_leather_wallet.jpg が公式に否定されている、とまでは言えないわけです。それでも新規のファイルはハイフンに寄せておくほうが安全です。推奨されている書き方が一つだけ明示されているなら、そこに合わせない理由がありません。
日本語ファイル名を、それでも避ける理由
ここから先は検索評価の話ではなくなります。運用の話です。
日本語のファイル名は、URLになった瞬間に姿を変えます。紺色レザー財布.jpg は、ブラウザやサーバーを経由するときに %E7%B4%BA%E8%89%B2... のような長い文字列として扱われます。公式が求めているのは、非ASCII文字ならUTF-8エンコーディングを使うこと、までです。技術的にはそれで成立します。
問題は、そこから先に起きます。
- 記事本文やCMSに画像URLを貼るとき、長い文字列のせいで何の画像か読み取れない
- 社内で「この画像を差し替えて」と共有するとき、URLが折り返して伝わらない
- サーバーやCMSを移すとき、エンコードの扱いがそろわず画像が表示されなくなることがある
- アクセスログやレポートで画像URLを見ても、どのページのどの画像か特定しづらい
三つめは特に厄介です。移行そのものは成功したのに、日本語名の画像だけが表示されない、という形で後から出てきます。原因が文字コードだと気づくまでに時間がかかります。
だから半角英数字とハイフンで統一する。これは公式ルールへの準拠ではなく、自分たちの運用コストを下げるための選択です。そう位置づけておくと、社内で「Googleがだめと言っているのか」と聞かれたときに正確に答えられます。
既存画像を改名すべきかの判断
新規は迷いません。悩ましいのは、すでに公開されている画像です。
ファイル名を変えるということは、画像のURLが変わるということです。旧URLは、そのままでは行き先のないURLとして残ります。リダイレクトを用意するか、記事側の参照をすべて張り替えるか、どちらかの手当てが要ります。得られるのは「手がかり」の改善です。天秤にかけると、たいていは釣り合いません。
| 状況 | 改名するか | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| これから追加する画像 | 必ず付ける | 追加コストがゼロ |
| 公開済み・画像検索からの流入がある | 触らない | 失うもののほうが大きい |
| 公開済み・流入がなく、記事ごとリライト予定 | リライトと同時にまとめて | URL変更の手当てを一度で済ませられる |
| CMS移行・サイト改修でURLがどのみち変わる | その機会に一括で | すでにリダイレクト設計が必要な場面 |
| ファイル名に個人名・社外秘の型番が入っている | すぐ直す | SEOではなく情報管理の問題 |
二行目が実務での既定です。画像検索から流入があるなら、いまの名前のままでも困っていない、と考えるほうが自然でしょう。困っていないものを、名前を整えるためだけに作り直す理由はありません。
最後の行だけは例外扱いにしてください。tanaka-taro-meishi.jpg のようなファイル名は、URLを見ただけで中身が推測できてしまいます。これは順位の話ではありません。
shouhin_01_final_rev2.png を直す5ステップ
制作の途中経過がそのまま残った名前を、実際に一度通してみます。対象は紺色の革財布の商品写真とします。
- その画像が何かを、一文で書く。 「紺色の革の二つ折り財布を斜め上から撮った写真」。ここで悩むなら、そもそも記事に必要な画像かを先に疑ってください。
- その一文から名詞を2〜3語だけ取り出す。 「紺色」「革」「財布」。4語以上になったら、それは画像の説明ではなく記事の説明になっています。
- 半角英数字に落とし、ハイフンでつなぐ。
navy-leather-wallet。単語の区切りにハイフンを使うのは、公式のURL推奨そのままです。 - 拡張子はいじらない。 写真なら
.jpg、透過が要るなら.png。.pngを手で.jpgに書き換えるのは、名前を整える作業ではありません。 - 同じ商品の別カットは、連番ではなく違いを名前に入れる。
navy-leather-wallet-inside、navy-leather-wallet-thickness。-2、-3と振ると、半年後の自分が開くまで中身が分かりません。
結果は navy-leather-wallet.png。もとの shouhin_01_final_rev2.png と比べて、final も rev2 も消えています。制作の都合は、公開後のURLには要りません。
五つめは手を抜きたくなるところです。ただ、画像の差し替え依頼が来るのはたいてい半年後で、そのとき効いてくるのは連番ではなく違いのほうです。
ファイル名より先に見るべき一箇所
名前を整えることと、その画像が拾われることは別の話です。合わせて確認しておきたい場所が robots.txt です。
公式の説明では、robots.txt が無い場合、すべてのファイルについてクロールが暗黙的に許可されます。では、置いてある場合はどうか。自社に robots.txt があるなら、中身を一度読んでおきたいところです。公式ドキュメントには、2つのルールを持つ簡単な例として次の記述が載っています。
User-agent: Googlebot
Disallow: /nogooglebot/
User-agent: *
Allow: /
Sitemap: https://www.example.com/sitemap.xml
自社サイトの画像がどのディレクトリに置かれているかを、まず確かめてください。/assets/、/uploads/、/wp-content/uploads/ あたりが一般的です。そのパス、あるいはその上位のパスが自社の Disallow の行に書かれていないか。書かれていれば、その記述が何を意図して入れられたのかを、ファイル名の議論より先に確かめる必要があります。
過去のリニューアルで一時的に入れた Disallow が、そのまま残っているケースがあります。ファイル名を全部直したのに画像検索に出てこない、という相談の背景に、この一行が隠れていることがあります。
よくある3つの誤解
ファイル名にキーワードを詰め込む。 navy-leather-wallet-brand-mens-gift-cheap.jpg のような名前です。公式が求めているのは短く説明的であることで、長く網羅的であることではありません。二つは両立しません。
ファイル名を直せば順位が上がる。 変わるのはファイル名の部分だけで、それで順位が動くとは限りません。画像がページの中でどう使われているか、周囲の文章が何を説明しているかのほうが、扱いとしては大きい可能性があります。ファイル名の改名を施策の中心に置くと、労力に対して見返りが合わなくなります。
ファイル名があれば代わりの説明テキストは要らない。 別の役割です。ファイル名はURLの一部として渡る手がかりで、代わりの説明テキストは画像が表示されないときに読まれるものです。片方で片方を代替できません。画像のalt属性(代わりの説明テキスト)の書き方は独立した論点として扱ってください。
今日やること
- 次に追加する画像から、5ステップの命名を適用する
- 画像ディレクトリが robots.txt の
Disallowに入っていないか確認する - 既存画像は判断表の2行目(触らない)を既定にし、リライト予定の記事だけ改名候補に載せる
- ファイル名に個人名・社外秘の情報が入っていないかだけ、全体を検索して確認する
画像まわりは他にも判断が要る場所があります。読み込みの遅延と検索の関係は画像の遅延読み込みとSEO、URLそのものの正規化はURL末尾のスラッシュにまとめています。
出典
