代替ページ(適切なcanonicalタグあり)の対処要否を見分ける
「代替ページ(適切な canonical タグあり)」が数百件。しかも並んでいる場所が「インデックス未登録」の欄なので、何かをやり損ねた気がして手が止まる——そこで検索してきた方に、先に結論を置きます。この行について、Google の公式ヘルプは「これ以上の対処は必要ありません」と明記しています。件数をゼロに近づける作業は、原則として不要です。
ただし、原則には例外があります。canonical(類似するページのうち、検索結果に出したい正規のページを検索エンジンに伝える指定)の書き間違いで、本来は出したいページがこの欄に落ちていることは起こり得ます。厄介なのは、正常な数百件と例外の数件が、同じラベルの下に混ざって表示されることです。
だから、やるべきは件数減らしではありません。混ざった一覧から、手を入れるべき数行だけを引き抜く仕分けです。
公式ヘルプが、この行について書いていること
まず、「ページ インデックス登録レポート」のヘルプにある該当箇所を、そのまま引きます。
代替ページ(適切な canonical タグあり) このページは、別のページの 代替 (パソコン版正規ページの AMP ページ、パソコン版 正規ページ のモバイル版、またはモバイル版正規ページのパソコン版)としてマークされます。正規ページ(登録済み)へのリンクが正しく指定されているため、これ以上の対処は必要ありません。
読みどころは2つあります。ひとつは「代替としてマークされます」という言い方で、これは失敗の記録ではなく分類の結果だということ。もうひとつが「リンクが正しく指定されているため」という理由づけです。正しく指定されているから、この分類になっている。つまりラベル名の「適切な canonical タグあり」が、すでに答えを言っています。
同じヘルプは、レポートの読み方についてもう一歩踏み込んだ記述を置いています。
が正規ページを検出してインデックス登録したことを表しているので、通常は問題ありません。 URL の正規バージョンを見つけるには、 URL 検査ツール を実行します。
ここで「通常は問題ありません」と言い切ったうえで、それでも確かめたいなら URL 検査ツールを使え、と道具まで指定されています。あとで使う手順は、この一文が根拠です。
そして、そもそも全 URL の登録を目指す必要がない、という前提もヘルプに書かれています。
確認しなくてよい点 100% のカバレッジ: サイトのすべての URL がインデックスに登録されるわけではありません。上記のとおり、インデックス登録されるのは正規ページのみです。
「確認しなくてよい点」という見出しの下に置かれているのが重要です。登録されるのは正規ページだけ。だとすれば、代替ページが未登録の欄に並ぶのは、仕組みどおりの結果ということになります。
なぜ除外されるのか——正規化という処理の中身
ラベルの意味が分かっても、「除外」という言葉の後味は残ります。ここは、Google 側で何が起きているかを知っておくと消えます。
Google 検索セントラルの「重複している URL を統合する(URL の正規化)」には、こう書かれています。
正規化とは、そのコンテンツを代表する 正規 URL を選択するプロセスです。最終的に、重複するページの中で Google が最も代表的と考えるページの URL が正規 URL になります。重複除去とも呼ばれるこのプロセスにより、重複コンテンツの中から 1 つのバージョンのみを検索結果に表示できるようになります。
選択であって、排除ではありません。同じページには、重複が生まれる原因も列挙されています。地域の違い(米国向けと英国向けで URL が違うが実質は同じ内容)、デバイスの違い(1つのページにモバイル版と PC 版がある)、プロトコルの違い。どれも、サイト側の落ち度というより構成上ふつうに起きることとして書かれています。
処理の順番も明記されています。
が見つけた場合、それらをまとめてクラスタ化します。次に、インデックス登録プロセスで収集された要素(シグナル )に基づいて、検索ユーザーにとって最も完成度が高く有用であると客観的に判断されるページを選択し、そのページを正規としてマークします。正規ページは最も高い頻度で定期的にクロールされます。重複ページについては、Google がサイトをクロールする負荷を軽減するため、正規ページより低い頻度でクロールされます。
似たページをまとめる。代表を1つ選ぶ。代表は高い頻度で、それ以外は低い頻度で巡回する。この3段構えを踏まえると、代替ページの件数は「失敗の数」ではなく「まとめられた数」だと読み替えられます。
ただし、同じ段落の続きに、油断できない一文があります。
正規化で重要となる要素は多くありません。HTTP と HTTPS のどちらでページが提供されているか、リダイレクト、サイトマップ内での URL の有無、 rel="canonical" link アノテーションです。これらの手法を使って Google に希望を伝えることはできます が、さまざまな理由から Google が別のページを正規として選択する場合もあります。つまり、正規化の希望を伝えることはできますが、確実ではありません。
希望は伝えられる。確実ではない。ここが、原則放置でよい話に例外が生まれる場所です。自分が指定した正規 URL と、Google が選んだ正規 URL は、ずれることがあります。
手を入れる行だけを引き抜く5ステップ
ずれているかどうかは、レポートの一覧を眺めていても分かりません。URL 検査ツールで、2つの正規 URL を1件ずつ突き合わせる必要があります。
「URL 検査ツール」のヘルプは、この2つを別々の項目として説明しています。ユーザーが指定した正規 URL については、<link rel="canonical"> タグ、HTTP ヘッダー、サイトマップ、その他の方法で指定でき、Google が正規 URL を選択するとは限らないが考慮の対象になる、と書かれています。Google が選択した正規 URL については、こうあります。
Google が選択した正規 URL サイト上の類似ページが検出された際は、Google が 正規(公式)URL として選択したページが表示されます。Google は、ユーザーが指定した正規 URL を選択することもありますが、別の URL の方が正規バージョンとしてふさわしいと判断することもあります。
この2つが一致していれば意図どおり。食い違っていれば、そこが調べる価値のある行です。手順にすると、次の5つになります。
- 一覧を開く:Search Console の「ページのインデックス登録」から「代替ページ(適切な canonical タグあり)」を開き、表示されている URL を手元に書き出します。追うのは件数ではなく、中身です。
- 正常枠を先に外す:パラメータ付き URL、モバイル版とパソコン版で分かれている URL、AMP ページ。これらは正規化されるのが期待どおりの動きなので、この段階で候補から外します。残るのは「なぜここにいるのか説明できない URL」だけです。
- 残った URL を検査する:ヘルプによれば、URL 検査ツールには2つの入口があります。画面上部の検査バーに完全修飾 URL を入力する方法(現在開いているプロパティの URL に限る)と、レポートで URL の横にある検査リンクをクリックする方法です。後者のほうが打ち間違いがありません。
- 2つの正規 URL を並べて読む:「ユーザーが指定した正規 URL」と「Google が選択した正規 URL」を突き合わせます。一致していれば、その行は終わりです。
- 食い違った行だけ原因を1つに絞る:canonical の指定先が間違っている、内容が別ページとほぼ同じになっている、リダイレクトや HTTP/HTTPS の扱いが噛み合っていない——正規化で効く要素は公式が4つに絞って挙げているので、原因の候補もその範囲から探します。
数百件を全部このステップに通す必要はありません。2で正常枠を外すと、たいていは片手で数えられる数まで減ります。
実際に1つ通してみる
抽象的なままだと使えないので、よくある形に1回通します。商品一覧に並び替え機能があるサイトで、/shoes/?sort=price のような URL が代替ページとして大量に出ている、という場面です。
ステップ1で一覧を開くと、?sort= が付いた URL がずらりと並んでいます。ステップ2の時点で、これは正常枠です。並び替えの有無で中身はほぼ同じなので、/shoes/ に寄せられているのは期待どおり。この時点で数百件が候補から消えます。
問題は、その一覧に混ざっていた /shoes/running/ でした。パラメータも付いていないし、モバイル用でもない。カテゴリの1つとして独立して検索結果に出したいページです。ステップ2の基準では説明がつかないので、ステップ3に進みます。
検査すると、ユーザーが指定した正規 URL は /shoes/running/。ところが Google が選択した正規 URL は /shoes/ になっていました。ここで初めて、原則の外に出たことが分かります。
ステップ5で原因を絞ります。canonical の指定先そのものは自分自身を向いているので、指定ミスではありません。残る候補のうち、内容の重なりが疑わしい。実際に2ページを見比べると、/shoes/running/ に載っている商品は /shoes/ の1ページ目とほぼ同じ並びで、説明文も共通のテンプレートのままでした。似ていると判断されるだけの根拠が、こちら側にあるわけです。
このとき打つ手は、canonical をいじることではありません。ランニング向けの選び方や用途の説明を足して、そのページを /shoes/ の部分集合ではなくす。公式が「最も完成度が高く有用であると客観的に判断されるページ」を選ぶと書いている以上、判断材料を増やすのが筋です。ただし、伝えられるのは希望までで、確実ではない——ここは公式の但し書きどおりに受け止めておきます。
仕分けの判定表
ステップ2とステップ4の結果を突き合わせると、行の扱いは4通りに整理できます。
| 一覧に出ている URL | 2つの正規 URL | 扱い | 次にやること |
|---|---|---|---|
| パラメータ付き・モバイル版・AMP など、正規化されて当然の URL | 一致 | 対処不要 | 何もしない(公式が「これ以上の対処は必要ありません」と明記) |
| 独立して出したい URL | 一致 | 原則不要・要観察 | 検索結果での見え方だけ確認し、深追いしない |
| 独立して出したい URL | 食い違い | 要調査 | canonical の指定先・内容の重なり・リダイレクトを順に確認 |
| そもそも公開する気のない URL(テスト用など) | どちらでも | 別問題 | 正規化ではなく公開範囲の問題として扱う |
1行目が、さきほどの ?sort=price です。件数の大半はここに入るので、ここを「対処不要」と確定できると作業量が一気に落ちます。3行目が /shoes/running/ のケースで、手を入れる価値があるのはこの行だけでした。2行目は判断に迷いやすいところですが、指定と選択が一致している以上、伝え方の問題ではないので触らずに置きます。4行目は canonical の話に見えて中身が違うので、混ぜないほうが早く終わります。
つまずくところ
「公開 URL をテスト」を押しても答えは出ない
URL 検査ツールには、その場でページを取得し直すライブテストがあります。代替ページの調査でこれを押しても、知りたい情報は出てきません。ヘルプに、ライブテストではテストできない問題として名指しで挙がっているためです。
ページのインデックス登録レポートに表示されるインデックス登録の問題のうち、ライブテストではテストできないものを以下に示します。 ページ削除ツールによりブロックされました : この問題は、代わりに 一時的な削除ページ で確認してください。 クロール済み - インデックス未登録 検出 - インデックス未登録 代替ページ(適切な canonical タグあり) 、 重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません 、 重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されています 、 重複しています。送信された URL が正規 URL として選択されていません : Google の正規ページの選択に関する情報は、インデックス登録時に判定されます。
理由も同じ文の末尾に書かれています。正規ページの選択はインデックス登録時に判定される。だから、いま取得し直しても判定は出ません。見るのは常に、ライブテストではなく登録済みページの情報のほうです。ここを間違えると、「テストは緑なのに直らない」という行き止まりに入ります。
登録されているのに検索結果で見つからない
修正後の確認で、検索して出てこないと不安になります。ただ、それだけでは失敗の証拠になりません。
検索結果は、ユーザーの検索履歴や位置情報など、さまざまな変数に基づいてカスタマイズされます。そのため、ページがインデックスに登録されていても、検索結果に表示されない場合や、異なる掲載順位で表示される場合があります。したがって、ある URL がインデックスに登録されていることが Search Console に示されていながら、検索結果にその URL が表示されない場合は、その URL がインデックスに登録されており、検索結果に表示される資格があると考えられます。
自分の画面での見え方は、検索履歴や場所によって変わります。判定に使うのは Search Console 側の表示です。加えて、新しく追加した内容の登録には数日かかることがある、ともヘルプは書いています。急いで結論を出さないほうが、無駄な作業が減ります。
伝え方には強さの順番がある
食い違いを直すと決めた場合、打てる手は1つではありません。「rel="canonical" などを利用して正規 URL を指定する」のヘルプは、効果の順に並べています。
重複ページまたは非常に類似したページの 正規 URL を指定する場合、いくつかの方法で Google 検索に優先事項を伝えられます。正規化に対する効果が高い順に、以下の方法があります。 リダイレクト : リダイレクト先が正規ページになるべきことを強く示すシグナルです。 rel="canonical" link アノテーション : 指定された URL が正規ページになるべきことを強く示すシグナルです。 サイトマップに含める : サイトマップに含まれる URL が正規ページになることを示しますが、シグナルとしては弱いものです。
弱いものから足しても、結果は変わりにくい。サイトマップに入れ直して様子を見る、という手が空振りしやすいのはこのためです。同じヘルプには、HTTP ヘッダーで指定する場合は rel="canonical" link 要素と同様に絶対 URL を使うこと、HTTP 版ではなく HTTPS 版をサイトマップや hreflang アノテーションに含めること、といった注意も書かれています。細部で足を引っ張りやすいのは、この辺りです。
今日やることは1つ
一覧の件数は、指標ではありません。見るべきは、独立して出したい URL がその中に混ざっていないか。混ざっていたら、2つの正規 URL が一致しているか。それだけです。
一覧を開いて正常枠を外し、残った数件を検査する。ここまでやれば、次に開いたときに同じ数字を見ても手が止まらなくなります。canonical そのものの伝え方や、評価がどう1つの URL にまとまるのかを整理したい場合は、重複コンテンツとcanonicalの基本もあわせて読んでみてください。広告やメールの計測用パラメータが付いた URL の扱いだけを知りたいときは、計測パラメータ付きURLとcanonicalが近い話です。
出典
