URLは日本語と英語どっち?共有時の実害と決め方
記事を公開する直前、URLの末尾(スラッグ)が日本語のままになっている。このままでいいのか、英語に直すべきか。
先に答えを出します。新しく作るページは、意味の通る短い英単語をハイフンでつないだURLにする。すでに公開している日本語URLは、それだけを理由に変えない。 これが実務上いちばん損の少ない決め方です。
理由は検索エンジンの側にはあまりありません。問題が起きるのは、URLを人がコピーして使う場面です。
Googleは日本語URLを「使うな」とは言っていない
最初に、よくある誤解をほどいておきます。Google 検索セントラルの「シンプルな URL 構造を維持する」は、URLにはシンプルで内容がわかる単語を、できれば読み手の言語で使うことを勧めています。そのうえで、ASCII 以外の文字にはUTF-8 エンコードを使うよう書いています。ASCII は英語の基本的な文字と記号の集まりで、日本語はここに含まれません。
UTF-8 エンコードとは、日本語のような文字をURLで送れる形に置き換える決まりのことです。置き換えると「%E6%97%A5」のように、% と英数字の並びになります。これをパーセントエンコード(%エンコード)と呼びます。同じガイドには、ドイツ語の gemüse と、それを置き換えた gem%C3%BCse の両方の書き方が例として並んでいます。
つまり、日本語URLそのものが禁止されているわけではありません。
一方で、同じガイドの記述からは「日本語URLにすると順位が上がる」「英語にすると順位が上がる」という判断材料は出てきません。ここを期待してURLの言語を選ぶのはやめておくのが無難です。決め手は別のところにあります。
困るのは「コピーした後」です
ブラウザのアドレスバーでは、日本語URLは日本語のまま見えることが多いです。ところが、そのURLをコピーしてチャットやメール、表計算ソフトに貼ると、%エンコードされた形で貼りつくことがあります。見た目が一気に変わります。
どれくらい変わるのかは、Googleのガイドに載っている例を見るとつかめます。
| ガイドに載っている書き方 | 置き換えた後の書き方 |
|---|---|
https://example.com/gemüse | https://example.com/gem%C3%BCse |
https://example.com/🦙✨ | https://example.com/%F0%9F%A6%99%E2%9C%A8 |
gemüse は6文字です。置き換えた後は ü の1文字が %C3%BC になり、全体で11文字に増えています。絵文字の2文字は、21文字の記号の列です。
置き換わるのは英語の基本的な文字以外の部分だけで、gem や se はそのまま残っています。日本語のスラッグは、全体がこの「置き換わる側」の文字でできています。
ワークスルー:自社の日本語スラッグで確かめる
自分のサイトの日本語URLが、貼りつけた後にどう見えるか。数値の予想より、実物を見るほうが早いです。
- 日本語スラッグのページをブラウザで開き、アドレスバーのURLをコピーします。
- 社内チャットの自分宛てメッセージか、表計算ソフトのセルに貼りつけます。
- 貼りついたURLが日本語のまま読めるか、
%と英数字の列になっているかを見ます。 - 記号の列になっていたら、その長さとスラッグの見た目の長さを比べます。
- 同じ記事に英単語のスラッグを付けたと仮定して、手順2の場所に並べて書いてみます。
判断の目安は単純です。手順3で記号の列になり、受け取った人が見ても何の記事かわからないなら、そのURLは共有に向いていません。 新しく作るページは、英単語のスラッグにする理由がこれで1つ立ちます。
この差が、次のような場面で効いてきます。
- チャットやメールで共有するとき: 受け取った人には意味の読めない記号の列が届きます。不審なリンクに見えて、開いてもらえないことがあります。
- 文章の途中に貼ったとき: 長いURLは途中で改行されやすく、ツールによってはリンクが途中で切れて開けなくなる場合があります。
- アクセス解析や表計算で集計するとき: ページ一覧に%エンコードの列が並ぶことがあり、どの記事かを目で判別しづらくなります。集計の手間が増えます。
英単語だけのスラッグなら、置き換えの対象になる文字がほとんど含まれません。この3つの手間は、起こりにくくなると考えられます。
決め方:新規か既存かで分ける
では、自分のサイトではどうするか。判断は「これから作るページか、もう公開しているページか」でほぼ決まります。
| 状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| これから公開する新規ページ | 英単語+ハイフンのスラッグ | 共有・集計の手間がなく、後から変える必要も生まれない |
| 公開済みで、検索流入や外部からのリンクがある日本語URL | 変えない | 変更には転送の設定が要り、失敗すると積み上げた評価を取りこぼすおそれがある |
| 公開済みだが、ほぼ誰にも見られていない日本語URL | 変えてもよい(転送は必ず設定) | 失うものが小さいので、サイト全体の書き方をそろえる機会にできる |
| サイトのリニューアルでURLを総入れ替えする | この機会に英語へそろえる | どうせ転送を設定するので、追加の手間が小さい |
英語が苦手な担当者でも心配はいりません。スラッグは英作文ではなく、記事の中身を表す単語を2〜4個並べれば十分です。ローマ字でも、日本語よりは共有時の問題を避けられます。
単語はハイフンで区切る
英語にするなら、区切り方にも公式の推奨があります。「シンプルな URL 構造を維持する」は、URL内の単語を区切るには**アンダースコア(_)ではなくハイフン(-)**を使うよう勧めています。ユーザーや検索エンジンがURLのコンセプトを理解しやすくなるから、というのが理由です。
japanese_url_seo ではなく japanese-url-seo と書く。これだけです。
URLを複雑にしない
もう1点、同じガイドは、**過度に複雑なURL(特に複数のパラメータを含むURL)**が、同じ内容を表すURLを不必要にたくさん作る原因になることがある、と注意しています。その結果、クロールで問題が起きたり、Googlebot が必要以上に帯域幅を使ったり、サイトの内容をインデックスに登録しきれない状態を招いたりする可能性がある、とされています。
日本語か英語かとは別の話ですが、スラッグを決め直すときに一緒に見直す価値があります。
手順:自社サイトのURLルールを決める
ここまでを、そのまま作業に落とします。
- 今のURLの書き方を確かめる。 サイトマップか、CMSの記事一覧で、公開中のURLを10件ほど見ます。日本語スラッグと英語スラッグが混ざっていないかを確認します。
- 日本語URLのページを2つに分ける。 アクセス解析で、検索からの流入や外部からのリンクがあるページと、ほとんど見られていないページに分けます。
- 新規ページのルールを1行で決める。 たとえば「スラッグは記事の中身を表す英単語2〜4個をハイフンでつなぐ。すべて小文字」。CMSで日本語タイトルがそのままスラッグになる設定なら、公開前に必ず書き換える手順を入れます。
- 既存ページは基本そのまま残す。 手順2で「ほとんど見られていない」側に入ったページだけ、変えるかどうかを検討します。
- 変えるなら、旧URLから新URLへの転送(301リダイレクト)を設定する。 301リダイレクトは「このページは恒久的に引っ越した」と伝える転送のことです。設定後、旧URLを開いて新URLに移ることを確かめます。
- 共有して確かめる。 新ルールで作ったURLを社内チャットに貼り、記号の列にならずにそのまま読めることを見ておきます。
手順5の転送は、Googleに「どのURLを代表にしてほしいか」を伝える手段の1つです。「重複した URL の統合(正規化)」は、代表URLを決めるときの重要な要素として、リダイレクト、サイトマップに載っているかどうか、rel="canonical" の指定などを挙げています。ただし、これらは希望を伝える手段であって、Googleが別のページを代表に選ぶ場合もある、とも書かれています。
だから、転送を設定したら、サイトマップと内部リンクも新URLにそろえておきます。手がかりを1方向に向けておくためです。
よくある誤解:「今すぐ全部英語に直さないとまずい」
日本語URLのページが大量にあると、全部を直したくなるかもしれません。急ぐ必要はありません。
「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」は、サイトの構築時や改装時には論理的に整理することを勧めつつ、今すぐ整理し直す必要はないとも書いています。整理されていなくても、おそらく検索エンジンはそのままの状態で把握してくれる、というのがその説明です。
URLの付け替えは、転送の設定漏れという新しい失敗の入口にもなります。数百ページを一度に変えると、どこかで転送が抜けたページが出るおそれがあります。
直すなら、新規ページから。既存ページは、リニューアルのような大きな機会にまとめて。この順番で十分です。
その場で使える点検表
自分のサイトの状況を当てはめてみてください。
| 確認すること | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 新規ページのスラッグを公開前に英語へ書き換える手順があるか | ルールどおりに続ける | 手順3のルールを決める |
| 日本語URLのページに、検索流入や外部からのリンクがあるか | そのページは変えない | 変えるなら手順5の転送を設定 |
| 単語の区切りにアンダースコアを使っていないか | 次の新規ページからハイフンにする | そのままでよい |
| URLを変えたページで、旧URLから新URLへ移るか | サイトマップと内部リンクもそろえる | 転送の設定を見直す |
最初のワークスルーで見たとおり、日本語URLの弱点は「貼りつけた後の見た目」です。検索エンジン向けというより、URLを受け取る人のために英語にする。そう考えると、迷う場面はかなり減ります。
URLの書き方をそろえる作業では、URL末尾のスラッシュ有無を1つに統一する手順やURLの大文字・小文字が混在するときの統一手順も同じ考え方で進められます。URLを変えるときの転送の設定は、サイト移転でURLが変わるときの301リダイレクト手順にまとめています。
出典
